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「赤本」が電子書籍化されない理由は、本屋さんへの想いにあった。

最近の本は、電子書籍で買う機会が増えました。

本棚がすぐ一杯になってしまうので、場所をとらない電子書籍は本当に便利。特に小説などはkindleなどで複数冊をまとめて持っていけるので、電車で読むときになんかは荷物が少なくなって便利。

でも、一方で、紙の本もやっぱり捨てがたい。

私はとある技術系の仕事をしているので、その技術に関する本は、やはり紙の本で購入して直接書きこんで読みたい。

自己啓発で勉強したい本なんかも紙の本に直接かきこんだり、アンダーライン引いたりして読み込みたい。

電子書籍と従来の紙の書籍。どちらにも良さがあると思っています。




そんなある日、車を運転している時に流れてきたラジオ番組に「ハッ」とさせられました。

2024年8月4日に放送されたラジオ番組、TOKYO FM「SUNDAY'S POST」

出演されたのは、世界思想社教学社の上原寿明さん。

これだけでは、何をされた人なのかわからないでしょうね。私も判りませんでした。

では、

「赤本」

ならわかりますか?

大学受験経験者ならわかりますよね。そうでは無い方でも、本屋さんで赤い本がずらーっと並んでいるコーナーを見たことはありませんか?

「赤本」は各大学毎に過去の入試問題を掲載した本です。

上原寿明さんは赤本を出版している世界思想社教学社の社長でいらっしゃいます。

その中で、番組パーソナリティから今後の夢と赤本の電子について質問がありました。それに対する上原さんの答えは以下の通りでした。

いま、全国の書店が次々と減っている状況がありまして、それを食い止めることを考えないといけないと。いろんなところに本があって、子どもがそれを見て育って、大人も本を見てちゃんとした社会を作る、と。そういうことがインフラとして必要ではないかと思っていますので、本がどんなところにも届くようなことを続けていきたいし、皆さんにも働きかけができたらと思っています
(中略)
本を開いた時の匂いであったりとか、ページを開く空気感ですよね。そういうのは電子にはないものですから

SUNDAY'S POST公式ホームページより

「本屋がインフラとして必要」

その視点に「ハッ」とさせられました。


本がたくさん並んだ本屋さんの書棚。

書籍から漂う独特の匂い。

多くの本から何気なく取りだした一冊のページをめくって、良い本に発見したときの喜び。

それらは本屋さんでなければ経験できないし、紙の書籍でなければ得られません。

色んなメディアで本屋さんが減少している現状を報じているのは知っていましたが、これまで経験してきた当たり前の事ができる機会が失われつつある。

それを防ぐための一つの手段として「赤本」の非電子化を続けている姿勢に感銘を受けました。


もちろん電子化は電子化で便利な一面があって、この流れは止められないし、冒頭に記載したように私もその恩恵にあずかっている一人です。

でも本屋の独特な雰囲気、ページをめくる紙の書籍ならではの感覚、気軽に書き込みができる紙ならではの便利さ。

紙の書籍を扱う書店にはインフラとして残っていて欲しい。

新しい視点を得ることができたラジオ番組と、紙の書籍に対する熱い想いを抱いた方。嬉しい出会いがありました。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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