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否定や攻撃と捉えない対話

落ち着いて話せると感じられるのは

安心感と言えばいいのか分からないけど、
私はこう思うと言える関係性がありがたい。

対面で言う事はほぼほぼなくなったけど
オンラインではしょっちゅう意見を求められる。
まあ、そういう場に参加しているからなんだけど
ギラン・バレー症候群になってなかったら、
今でもそういう場所には近づいてないだろうと思う。

意見を言う事に慣れてなかったから。

クラスでも、習い事でも、親戚の集まりでも
「かんちゃんはどうする?」と聞かれると
その時点での多数の意見を言う事が多かった。

それは、「えー?」って言われるのが怖かったから。
そう言われることは、恥ずかしいと感じていたし
ものすごく自分が間違ったことをしたような気になった。

気を遣わないはずの家族にでさえ、私は顔色を見て
言う言葉を選んでいた。
自分の望む答えが返ってこないと不機嫌になったり、
結局自分のやりたいようにする親に慣れていたから。

言っても無駄なんだ。

と、思っていたというのが実際のところ。

勇気を出して言ったって、結果は変わらない。
むしろ空気や相手の機嫌が悪くなって、
居づらいし、最悪。

そんな気持ちになるくらいなら、
もう相手の望む感じでいいや。

小学校低学年からそんな風に思っていたので
大人しくて、意見がなくて、無気力。
子供らしさのない、変な子どもだったろうと思う。

ギラン・バレー症候群になって

社会に出てもあまり変わることなく、
多数派に巻かれる生活が続いた。

転機になったのは、やはりギラン・バレー症候群。
神経が傷ついて体が動かなくなるので、
自分の体の中の僅かな感覚が頼り。

周りにそれを伝えて、今後の治療やリハビリに繋げる。
自分も治りたいから必死だった。
何を出来る様になりたいのか、仕事はやりたいのか、
やるなら何をしたいのか、どういうことなら出来るのか。

面談の度に聞かれたし、自分のことだから
多数派はいない。自分一人。

考えて決めるのは自分

自分についてのことなのに、こんなに考えたこと
なかったんだな、と正直頭を抱えた。

どうしたいのか、どうなりたいのか。
自分のことなのに、「どうしよう」ばかり。
決断力も行動力も実践力もなかった。

でも、決めないと。
時間だけが過ぎていくし、もったいない。
初めて、ものすごく考えた。
なにせ寝たきりだ。入院してて時間もある。
他にやることもないんだと開き直った。

全力で応援してくれる人がいる

勇気を出して、やりたい事を伝えた。
仕事についても、電話とかでもいいから
接客業に戻りたいから、滑舌を鍛えて欲しいと
ST(言語聴覚療法士)へ。

発声用の一覧表を渡され、毎日それをやった。
話しているのを録音して、一緒に聞いて
苦手なところをたくさん練習した。

パソコンの入力が出来る様になりたいと
OT(作業療法士)に。
最初は両手でも3本の指しか使えなかった。
打っている内に攣ってくるし。
でも、褒めてくれた。
「早いじゃん!なんか負けてるかも・・」
嬉しそうにイイねしてくれて、励みになった。

通勤が出来る様にと、PT(理学療法士)は
横断歩道を渡り切れる時間で歩けるように
練習しようと言ってくれた。
階段や、イスからの立ったり座ったり。
一緒に歩いて、姿勢も見てくれて、
主治医へ行動範囲を広げるためのプレゼンを
していたが、その背中を常に一番に押してくれた。

否定、無視、すり替え・・

せっかく意見や希望を言ったのに、
そんなことをされたら悲しすぎる。

もうこの人には言わないとなるし、
そういう人は、最初から対話する気はないと
考えるようにした。

意見を聞いておいて、結局自分がやりたいようにする。
そういう人はすごく失礼だと感じる。
だったら最初から勝手にやって欲しい。
頭ごなしに「それは違う」というのもどうかと思うけど
それならまだ、一旦聞いてるだけましかなとも思う。

私が話したり、意見を聞いたりするのは
その人の事を頼りにしているから。
その人だから意見を聞きたいし、希望も知りたい。

話すなら、少なくとも対等な関係で
普通に話したいと思う。
厳しい意見を言わなきゃいけないときもあるが
中途半端な関係性でいうのもどうなのかと思ってしまう。

言うなら、その人が意図を理解できているかどうかは
ちゃんと見ていて欲しいし、次のステップに進めるまで
気にかけてあげて欲しいなと。

「否定や攻撃と捉えずに済む対話」

がそれで初めて出来ると思っている。

そういう中でこそ、活発な対話が生まれると
思うんだけどな。


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