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メタバースで食べるすき焼きはウマイのかい?

僕がコンピューターに触れて30年。やっと現実的でリアルな仮想空間「メタバース」という言葉が定着しつつある。

僕が最初にコンピューターといえるものに触れたのは、ゲームのスーパーマリオからだった。しかし、これはオフラインの一人用ゲームでありメタバースには程遠い。

そこから10年ほどたった時にWindows95が爆誕した。そのあとすぐにオンラインゲーム「ウルティマオンライン」が普及しはじめる。あくまでゲームだが別に敵と戦わなくてもいい。家を買ってそこに住んで、近所の人と会話(チャット)しているだけでも楽しい。今と違って平成のゲームなので3Dではないけれど、コミュニケーションを取り、自分好みのキャラクター(アバター)を作って自由な時間をすごす。

僕はまだこの頃はパソコンを手に入れていなかったため、知り合いが遊んでいるのをうらやましく見ていた。どちらかというと、敵と戦うよりも知らない人とのコミュニーションを文字だけのチャットでなく、アバターを通して会話している様子が楽しそうだった。

そのあとに、僕もようやくパソコンを手に入れオンラインゲームの世界に入り込む。3Dゲームのリネージュ2をネットカフェで遊んだところハマってしまい、当時ハイスペックのPCを購入。自宅にネット環境を整えた。

パソコン通信だとチャットだけの世界になるが、オンラインゲームやメタバースの世界には自分の分身である「アバター」を通しての会話になるので、自分好みのキャラ設定も可能である。以前、僕が美少女活動を10年やっていたことをまとめた記事も書いたこともあり、さらに、それが飛躍してTV出演(TOKYOMX「5時に夢中!」)までしてしまうという事態まで起きた。メタバース恐るべし!

人によってメタバースは、セカンドライフのような日常の世界とは別の日常の世界が繰り広げられてるシステムがメタバースというくくりもあるが、僕はゲームの世界でもみんなとアバターを通して好きなキャラを演じ、アニメや映画を一緒に見て共感する世界も立派なメタバースに入ると考えている。

ファイナルファンタジーや、僕が遊んでいるブレイドアンドソウルも、ものすごい作りこまれた3Dの世界でVRでなくても十分のめりこめる。つまり、ゲームが大好き、ネット大好きな人にはたまらなく魅力的な世界だ。

ただ、いかんせん気になることがある。
セカンドライフが大規模メタバースとしてかなり注目され、日本の企業も多数参加した。一般企業が協賛してくれる事で運営がしやすくなるし、僕としても、マーケットの幅が広がる可能性にはすごく期待していた。ただ、ご存じの方も多いとうり実際には残念ながらほとんどの企業が撤退してしまった。単純に物が売れなかったのだと予想する。

しかし、僕からすると売る側にも問題がある。
たとえば、メタバースに来る方は、すくなからずゲーム、ネットが好きな人。コンピューターを通しての娯楽を求めてきて人がほとんだ。
にもかかわらず、旅行代理人店が参入した際は、バーチャル店舗をそのまま作ってしまい、そこでネットやリアル店舗でも買える旅行のパッケージ商品を売っていた。正直、これだけでは厳しい。なぜならば、メタバースはやる気になればその場で宇宙にもいけるので、現実の旅行をしたくて来てる人は、あまりいない。だから、旅行パッケージを売るならもう一工夫必要である。

他にも衣料品のお店も多数参加されたが、やはり現実の洋服のバーチャルモールの域を越えていなかった。メタバースに遊びに来ている人々は、現実の洋服を買いに来ているのではなく、仮想空間を楽しみに来ているので、そこで現実の商品をそのまま売っても売れ行きは厳しいと予想する。
もし、洋服を売りたいのであればリアルの服でなく、まずはアバターが着れる服を売るべきである。それを着て遊んでいるうちに、自然な広告効果が出て、リアルでもお買い物をしてくれる人が現れるかもしれない。

また、食料品を売るお店も多数出ていた。
これも一緒で、例えばユーザーはメタバース内に自宅やプライベートスペースなどを持っているので、まずはそこに飾る料理とかのオブジェクトを作って売る。僕は実家がお肉屋さんなので、自分がここでお店を開くとしたら、まずおいしそうなローストビーフの置物、頭にのせるローストビーフの帽子、もしくは手で持てる装飾品を作る。可能であれば、ジュワァ~と音も出す。まずは観賞用の物を作ることから始めると思う。

そうすると、それを家に飾りたい人、面白がって装飾品をつけたい人が出てくる可能性がある。理想はそのローストビーフにアフェリエイトが付いていて、肉を直接クリックすると買えるとかだと、まずは置物や装飾品が売れ、その次に宣伝効果が出て、ようやく実際の肉も売れると思う。
また置物や装飾品はうまく配置させたり、着こなしたりと見せ方が大事で、ユーザーのセンスも問われて深い楽しみ方ができるだろうし、双方にとって楽しみが増える。

逆に現実の商品から入りたいのであれば、例えば現実のお店で売ってるビールを買ったらコードがついていて、それを入力するとゲーム内のアバターが乾杯してくれるエモーションがもらえたり、置物が増えたりといったことができると購買意欲が増すだろう。

とにかく大事なのが、メタバース内にいるユーザー自身が、そこでしか楽しめない物でないと魅力を感じられず、なかなか売れないし、メタバースである意味がない。

ゲームの世界でもそうなのだが、みんな新しい商品や服を買ったら、他者に見てもらいたいという欲求がある。僕にも強い欲求があり、それを見てもらってリアクションを楽しんでいる自分がいる。

ようは、メタバースの世界で物を売りたいなのならば、まずはメタバース、仮想世界で遊んで楽しめるアイテムを作ったほうがいいということだ。企業とコラボして、メタバースの世界観にあった洋服やアクセサリー、オブジェクトを作っていき、メタバースの世界を充実させていけば、必然と広告効果は上がり、実際の商品も売れていくと思う。

いきなり現実世界の商品を、仮想空間を楽しんでいる人の前に並べても、おそらく厳しいと思うのは僕だけだろうか。普通にショッピングをしたいだけならば、Amazonや楽天に直接いくと思うので、そこはメタバース特有の楽しみを共有しながらやっていけば、双方楽しい世界観が生まれ、僕が理想としている「新しくて楽しいメタバースの世界」が生まれると思う。

僕もそうだが、メタバースに来る方は、非現実的な空間を楽しみに来ている。例えば宇宙で、それこそ火星や月面でみんなと日常の会話したり、バッキンガム宮殿よりも立派なお城の豪華なベットの上で寝落ち(ゲームしながら気づいたら寝ている)などをしたい人が多いのも事実だ。

そして、メタバースも街(サーバーやゲーム等)によって当然文化はあるので、そこに根付いている文化も理解しないといけない。異文化すぎたりなじまないものだと、やはりユーザーは楽しめないと思う。

せっかくVR、ARが加わったことにより、よりリアルで没入感のあるメタバースのブームが到来してこようとしている今、この楽しい世界が長く続き、さらなる進化をとげることを切に願いながら、僕は再び仮想現実に入っていく。ここでしか会えない人達や体験とたくさん出会えること。
これが一番のメタバースの醍醐味だと思う。

さあ、そんなメタバースで食べる『すき焼き』の味は、一体どんな味がするでしょう?現実世界は、寒い季節だけれども、メタバースの中は夏かもしれない。春かもしれない。はたまた極寒の猛吹雪の中かもしれない。

この世界で食べるすき焼きの味は、一体どんな味だろう

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