『くちびるリビドー』第19話/3.まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風(7)
「秘密なんて、どこにもないよ」と母は笑うだろう。「ママは単なる『酒の飲み過ぎ』で、肝臓をやられちゃったのよ~ん」と。「ばかでゴメンネ。ゆりあを残して逝っちゃって、ゴメン!」と。たとえそこに彼女が墓場まで持っていくことにした「答え」があるとしても、それを永久に掘り起こそうとしないことが娘としての「正しさ」なのだろう……。//ここは未知なる小惑星。この世の終わりみたいな景色の中に佇んで、あなたの声に耳を澄ます。もっともっと、光すら届かない銀河の果てまで、私を連れ去って。大丈夫。どんなに遠く離れても、きっとふたりなら戻ってこられるから――。//旅の夜。物語はさらなる深みへ。そして次回は、ついに最終回!
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くちびるリビドー
湖臣かなた
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〜 目 次 〜
1 もしも求めることなく与えられたなら
(1)→(6)
2 トンネルの先が白く光って見えるのは
(1)→(6)
3 まだ見ぬ景色の匂いを運ぶ風
(1)→(8)
3
まだ見ぬ
景色の
匂いを運ぶ風
(7)
“はじめまして”のnoteに綴っていたのは「消えない灯火と初夏の風が、私の持ち味、使える魔法のはずだから」という言葉だった。なんだ……私、ちゃんとわかっていたんじゃないか。ここからは完成した『本』を手に、約束の仲間たちに出会いに行きます♪ この地球で、素敵なこと。そして《循環》☆