肉じゃが
先日2日間のプライベートオンライン料理教室。
基本の肉じゃが。
数種類挙げたメニューの中から
お二人とも選ばれたものが一致して
肉じゃがって不動の人気だなぁと実感。
昔から、日本の家庭料理の代表格を飾っている肉じゃが。
私調べでは、
「彼女に作ってもらいたい料理」
みたいなランキングで大体1位か2位の肉じゃが。
日本食=寿司、天ぷら、味噌汁
の次くらいに
肉じゃが来るんじゃないかの勢いなのにも関わらず、
近年、家で作る家庭は少なくなっている気がする。
我が家も例に漏れず。
というのも、同居している祖母がお肉類が一切NGで
肉じゃがを作ると「じゃが」の部分しか食べられないために
昔から食卓に上ることはなかった。
じゃがしか食べられないなら
じゃがでいいやん
となり、
圧倒的にじゃが芋の煮っころがし派だった我が家。
それでも私が料理をするようになってから
肉じゃがはやはり王道としてレシピを確定しておきたくて
何度か作っていたけれど
「わぁ肉じゃがだ~!」なんて反応は皆無。
喜ばれるというよりかは、
「あら、肉じゃが…」
という珍しいものを見るような感じだった。
今回参加してくださった生徒さんお二人にも聞いたところ、
「作ったことない」
「もう記憶にないくらい遠い昔」
と仰っていて、
やっぱり、
日本がちょっと肉じゃが離れしているなと。
それでもやっぱりたまに食べると美味しいしほっとするし
おふくろの味感がなんとも言えないあの甘じょっぱい味。
別に誰の胃袋つかみたいわけでなくとも(笑)
やっぱりおいしい肉じゃがを作れておいて損はない!
ということでレッスンメニューに組み込み、
元あった自分の肉じゃがレシピの見直し週間がスタート。
と言ってもそんな数週間でできる話ではなく、
10月から3か月パリにいたころに
これでもかとまず第一次肉じゃが週間。
砂糖の量を変え、醤油の量を変え、
水の量を変え、火加減を変え、
「もう十分おいしいよ!」という旦那さんに
「いや、まだまだ!」という私。
(スパルタ)
そこでレシピは確定し、
パリから日本の生徒さんにレッスンもし、
大絶賛していただけた肉じゃが。
日本に帰ってきて、
「日本の食材と調味料で
ちゃんとあの味が出せていたのか」
と疑い始めた私、
第二次肉じゃが週間。
調味料や火加減等の作り方はOK。
(生徒さんにお伝えしたレシピでよかった!)
レシピは確定しているのだけど、
もはやここからは私の自己満と研究心。
牛肉は
「脂多めのちょっといいもの」
を使ったときの味の濃さとなじみ具合。
「お値打ちで赤身多めのもの」
を使ったときの味の濃さとなじみ具合。
ちなみに今更だけれど私は
肉じゃがは絶対に牛肉派だ。
フランスでは、牛の薄切り肉は
一部のアジア食スーパーでしか手に入らないので
牛ひき肉で代用していただいた。
もちろん、こちらも作ってみて実証済み。
そんなこんなで
肉じゃがが続いた我が家。
父は何も言わずに食べてくれて、
母はあまり家で作らなかった(=食べる機会が少なかった)肉じゃがを
喜んで食べてくれたし、
お肉が苦手な祖母は
見事に「じゃが」の部分だけを
食べてくれた。
彼女、前はお肉の出汁もだめだったけれど
最近はいけるようになった。よかった。
お出汁を使った上品な肉じゃがも
とってもおいしいと思う。
でも私の肉じゃがは
砂糖と醤油だけ。
それは、
お肉と野菜の旨味で十分お出汁になるし、
ちょっと濃いめのあまじょっぱい醤油味の、
日本昔話で登場していてほしいような
(そんなころにそんなハイカラな料理はないか)
田舎の、おばあちゃんが、
白い割烹着着て、しわがあってころんとした手で
作ってほしいような、
そんな私の「昔ながらのお袋の味」という理想とイメージから
こだわりたいポイントだった。
実は料理に目覚めた10年近く前、
自分レシピとして研究した肉じゃがは
同じ具材の量に、
今よりもっと醤油と砂糖を入れていた。
味はすき焼きに近くて、
今よりもっと、
お惣菜屋に売ってそうな味だった。
けれど歳を重ねて改良したレシピは
もう少し優しい味のものになった。
きっと数年後また第3次肉じゃが週間が来る頃には
また変わった好みになっているんだろうな。
こんだけ醤油と砂糖で作りますと謳っておいて、
出汁とか使っちゃってたりして。
こうして好みはその時々で変わるし、
みんながみんな同じ味が好きなわけではないので、
生徒さんにも基本はお伝えしておいて
あとは自由に自分好みに味をカスタマイズしてもらえたらいいなと思う。
肉じゃが。
ずっと日本の家庭料理の代表格でいてね。