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ゲームマーケット2024のアブストラクトゲームたち

11月16日-17日にて秋のゲームマーケットが無事終了しました。筆者は相変わらず指をくわえてツイッターで眺めているだけなのですが(クラファンでいっぱいいっぱいなんだと思ってください)、今年も興味深いデザインがいろいろ見られたので呟きの引用の形でまとめておきたいと思います。

非公開情報やアクション要素のないゲームが対象です(ランダムセットアップは可)。アブストラクトっぽいなと思いつつも詳細が分からず載せられななかったものもいくつかありました。抜けているものや間違いなどありましたらお手数ですがご連絡いただければと思います。

事後になってしまったこともあり、今年は春新作・秋新作を区別せずまとめています。



アンモナイト

(四等星)
ゆびダイスがめちゃくちゃバズっていたmor! さんのコースターゲーム。見た目からして交点に印を置いてマジョリティでセルを獲得する超シンプルなゲームかな、と思いきやルールを確認するととても練り込まれていました。やってみないとわからない系ですね。

mor! さんはこんな鉄道モチーフのゲームも販売されていました。2日間で4点だけオークション形式で販売されたそう。タイトルやルールは分かりませんがアブストラクトと呟かれていましたので。ループを作るゲームかな?


えびかに将棋 / カニナリエビ

(ゲームNOWA)
デザイン性に優れた現代はさみ将棋。10年前に発表した「かに将棋」のリニューアル版だそう。カニは横移動しかできないが敵陣地で斜め1マス移動のエビに成る。また中央の海流で上下移動したり、同じ種類の味方のコマが並ぶと追加の斜め移動ができたりします。「いきものボックスVol.1」にも「カニナリエビ」としてデザインの異なるバージョンが収録されています。


オルソノームズ

(PhantomLab)
ドングリシュギが話題だったPhantomLabさんの立体四目並べ。1×3の直方体を積んでいって、最終的に5方向から見て自分の色の四目の数を数えます。同じ向きの2つの立体を互いに隣接させることはできません。コンポーネントの出来が良いと賞賛の声が上がっているようです。


OPTIC

(工房A)
こちらあまり情報がありませんでした。手作りの駒で20セットだけ作られたとのこと。ダーツの的のような円形のボードで、よく見ると3色のコマがありスタックを作っているコマもありで、見れば見るほど謎です。勝利条件だけでも教えてほしい。


The Grimoire

(4Seasons)
殲滅or到達目標のゲームで、2種類の「魔導書」を使う移動オプションがあるというもの。魔導書は1回ずつしか使用できないようなので、書物型のコマは使用状況を示すために使われるものでしょうか。ブック型の箱がうまくフレーバーに仕立てられています。


クアトロ・クアットロ・ビー

(空創Lab)
前年の「クアトロ・クアットロ」の六角ボード版。全員が他プレイヤーの色のコマも持つシェアピース型のゲームで、他の色のコマを自分の色のコマ同士で挟む→挟まれたコマの上に自分の色のコマを置く、という形で最終的な得点を競います。2~4人用。


源平囲棋

(ガーデンゲームズ)
将棋と囲碁を組み合わせて短時間ゲームに仕上げるという力業アブストラクト。コマは将棋ベースで、将棋のように相手のコマを捕獲し種類に応じて得点したり、陣地を囲いその広さに応じて得点します。


碁ざらし

(プロトクラフト)
やたらかわいいレジン製フィギュアを碁石にしたゲーム。四路盤の囲碁ですがコマの移動オプションなどがあります。いろいろなキャラクターで商品展開されているようでコマだけの販売もされているようです。今後囲碁の普及に貢献されそうですね。


ゴモクロク

(Lotus boardgames)
「楽市フレッシュドラゴン大賞2024」準大賞作の五目並べ。石を置いたマス内の数(1~4)に応じて最外周のトラックマスにある自分の石を進ませ、内側のエリアだけでなくトラックマスの石を加えて五目を達成することも可能というトリッキーなゲームです。トラック上で遅れている方のプレイヤーが手番を行うので連続手番も起こります。ニック・ベントリーさんのゲーム(キャッチアップ、ストランド)が着想元かなと勝手に思っています。

あっと思ったのが、通常の六角形ボードでは隣接していない、マスの間を縫うような方向にも線が引かれていて五目が狙えるようになっている点。ここを使うのは盲点でした。


水晶置換法

(アクサン・シルコンフレックス)
筒+ガラス玉を使った立体四目並べ。縦・横・斜めいずれかの方向で四目を2個作れば勝ちですが、3つ並びを作ると揃えた方向に応じた置換オプションが可能になり、位置を入れ替えたり上下を入れ替えたりできます。コンポーネントの特性がうまく生かされています。


セカンドベスト・ザ・ワールド

(ボードゲーム帝国)
相手に指し直しを指示できるという一種のメタルールで話題となったセカンドベストの拡張版で、カードに書かれた勝利条件を追加するというもののようです。単純なルールのアブストラクトにカードで複雑性を追加するのはサントリーニなどの前例がありますが、拡張版の有り方の1つとして面白い。


ツバメガエシ

(ゆるるかなアイキュ~)
ペンギンパーティのようにピラミッドを作っていくゴーアウト系のカードゲームで手札は公開。ピラミッドの上に置けるカードは下の2枚から四則演算のどれかで導ける数字のカードに限られ、すでに置かれているカードを置き換えるオプションもあります。


トライアングルコネクター

(Weeple)
道の描かれたタイルを敷いたりずらしたりしながらミープルを移動し、相手のミープルを押し出すか、自分の手番で相手のミープルに到達すれば勝ちというコンパクトなゲーム。実は2022年頃に9枚のタイルを使うちょっと似たゲームを考案していたことがあって、同じコンポーネントでももう少しシンプルにできそうかなと思いました。


NULLVA

(BeeGameuu)
32枚のカードを使用し公開情報のみで争うゲーム。説明書が公開されていますが進行がかなり複雑で2,3回読んだだけでは頭に入りませんでした。純度の高いTCGゲームという趣きがあります。


ネルトリンゲン(シティー・オブ・ネルトリンゲン)

(PlanE)
WAZAgamesさん主催で行われたコンプリボドゲコンペ2024の最優秀賞受賞作。3~4人用。マス目の縁を囲っていって得点を競う陣取りゲームで、ワーカープレイスメント的に毎手番先着で囲う形を決めるのが特色。ゲムマ中に受賞発表が行われたようで、デザインの異なるポスター版も販売されていました。


Burst of Mana バースト・オブ・マナ

(Burst of Mana)
ボードを使わない代わりにタイルを接しあうようにしながら移動させる、ハイブやトウキョウのハトのようなタイプのゲーム。手番を使って自タイルを裏返す(バースト)ことで能力の強化ができます。11歳の娘さんが考案されたとか。アートワークもきれいですが、タイルの種類を覚えるまでにちょっとハードルがありそうです。


反転

(One Knot Games)
6×6マスで行う五目並べ。四角いリバーシ駒を見て「挟んで裏返すのかな」と思いきや、特定の条件下で2枚のボードを使って盤上のコマを全部まとめてひっくり返せるという大胆なゲームのようです。非対称ゲームとも書かれておりルールの詳細が気になります。


Flow

(ボードゲームサークルDICE)
四目並べ。コマを置いたあと自分のコマの一つをそのコマが向いている方向に1マス動かすことができ、その先にある他のコマを押すこともできる。シンプルながら先読みが楽しそうで、ルールとモチーフとをコンパクトにまとめた良デザインと思いました。


迷路の終わり

(おしょう)
100円の紙ペンゲームで、入り口から出口までの道を塞いだり閉所を作らないようにしながら任意の長さの直線を引き、自分の手番で合法手がなければ負けというもの。一種のニムですが、ちょっと誰かに教えたくなるような楽しいアイディアだと思います。


ラグビー将棋

(ビーランバー)
タイトルからして中立のボールコマを奪い合うタイプのゲームかと思いきや、なんと将棋盤と将棋コマだけで成立しているゲームでした。コマは将棋と同じルールで動き、ボールを持っているコマ(常に一体)のみ「成り」の状態になり相手側のボード端から出ることで得点します。ふつうに変則将棋のアイディアとして秀逸なのではと思いました。


レイリアン

(符亀)
各プレイヤー6枚ずつのタイルのみを使用するミニマルなアブストラクト。タイルは繋がったレールに沿って他のタイルを飛び越えることができ、飛び越えられた敵のタイルは手元に戻る、先にタイルを置き切るか相手のホームタイルを取ると勝ち。つながっているタイルの絵柄に沿って移動できるというアイディアが面白いです。


REX REGUM レクスレグム

(ノルカソルカ)
ランダムに組んだヘクスマップを使用する拡大再生産系のゲーム。自軍のユニットを置いているヘクスから地形に応じて資源を獲得し、労働者や兵を生産したり村や町を建設して最終的な獲得点数を競います。運要素を排した好戦的なカタンといった趣。


番外編

エッグ リリース・オブ・ヤバラス

nestorgamesの代表的な四目並べゲーム「ヤバラス」の新装版。ルールに変更はありませんが、かわいいアートワークと手ごろな価格で嬉しい人も多そう。nestorのサイトでは高価なアクリルバージョンもまだ入手できます。


どうぶつドラフツ

国際的にはチェスと並ぶ著名ゲームなのに、日本ではなぜかずっとマイナーなチェッカー/ドラフツの普及用ミニバージョン(6×6マス)。そういえばこのスケールで試したことがないなと思いました。


過去のゲームマーケットまとめ


アブストラクトゲーム Advent Calendar 2024に参加予定です。


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