見出し画像

ゲームマーケット2023秋の新作アブストラクトたち(+2023春新作)

この記事はアブストラクトゲーム Advent Calendar 2023 参加記事です。

昨年に引き続き、明日より行われるゲームマーケット2023年秋で出品される新作アブストラクトをまとめました。

前回同様、運要素を排除しているゲームを五十音順に取り上げさせていただいています。(セットアップ時のランダム要素はあり)

値段はゲムマ価格です。内容に間違い等ありましたらお手数ですが筆者までご連絡ください。


2023年秋新作

アナウメモグラ (ゲームNOWA)

・2人用 5~10分 10歳~
・ゲームデザイン:木村陽介
・100円
紙ペンゲーム。各自の色の線で点を結んでいき、相手の線と交差してしまうとライフを失う。線を引けなくなった方が負け。シド・サクソンのホールド・ザットラインを思い出しますが、より戦略性がありそう。


エコペン探検隊 どうくつ探検バトル(RMBC)

・2人用 5分~ 5歳~
・ゲームデザイン:Kamoto、Mr.Kou
・500円
ハガキゲーム。3枚のボード上を同時進行でコマを動かしていき、うち2枚のボードで対辺到達を目指す。コマはすべて3枚のボードで同じ方向に動く、という勝負/SHŌBUのような同時移動メカニクス。迷路ゲームはチープに見えがちかもですが、相手を飛び越えるタイミングの計り方などに戦略性がありそうで普通に面白そう。


ODDPATH オッドバス、AGTORST アグトスト 他(出汁巻亭)

・2人用 15分~30分 10歳~
・ゲームデザイン:タク/TAQ
・各100円
秋のハガキ祭りと題された6つのハガキゲーム(うち4編が新作)のうちの2作。旧作のSALBAGEとSEESIDEもアブストラクト。DAUNUTSは軽い運要素あり。これらはいずれもダイスをコマとして使用する(ダイスは自前で用意する必要がある)。フィールドに書かれている効果でダイスの目を+するといったメカニクスがいくつかのゲームで共通するものの相互のゲームは似ていない。500円で全部遊べるのはかなりコストパフォーマンスが良いのでは。


casaneru カサネル(王手、毘沙門天)

・2人用 15~30分 7歳以上
・4800円
前作CabCell(カブセル)のシステムを踏襲した意欲的な陣取りゲーム。ボードの形状を変えただけと思いきや、よく見るとコマの種類と重ねる余地が増えていて、より手番の選択肢が広がっている模様。今回も少部数のようですが、ぜひどなたかプレイ感想をつぶやいてほしい。


クワトロ・クワットロ(空創Lab)

・2~4人用 
・2000円
挟み将棋的にコマを獲得するゲーム。自分の色があるが、4色のコマを全員が2個ずつ手元に持つ。手番の配置により同色のコマ2つで他の色のコマ1つをはさみ、挟まれたコマの上に挟んだ色のコマを重ねる。重なっているコマは一番上の色のプレイヤーのものになる。各自8手番のみ、かつ自分の色をプレイできるのは2手番だけという大胆なルール。


試作版 アジアの将棋Ⅱ(アジアの将棋)

・2人 10分~30分 8歳~
・600円
チャンギ(朝鮮将棋)をベースにしたオリジナル将棋で、4種類の遊び方ができる。各国の将棋ゲームは明るくなくあまり詳細を見ていませんが、チャンギやシャンチーが好きな方はチェックしてみるといいかも。


スパイダーズワームホール(どすこいうさぎ)

・2~4人用 10~20分 6歳~
・ゲームデザイン:笠置啓太
・2000円
ボード外周に配置されたクモ型コマを動かして得点源となる3種類のエサコマを集める。エサは種類によって追加行動あり。途中の順位によって移動可能な歩数が変化するルールがユニーク。正円ボードのアブストラクトは過去にもありますがまだ定番はなさそうなので、その地位を獲得できるかどうか。


チョコレート対決(BGDT)

・2人用 5~10分 8歳以上
・ゲームデザイン:SKY HUANG
・2000円
ハイパーリアルなコンポーネントをつかった配置制限系のゲーム。ボードの外側にコマを円状に配置しておき、そこから1つずつ取ってボードに配置。同じ種類のコマがすでに配置されていたら繋げて置かなくてはならない。合法的に配置できなければ負け。見た目重視に見えますがルールもアブストラクトとしてかなり良くできているのでは。


ツブシアイ(Lotus boardgames)

・2人用 10分~ 8歳~
・ゲームデザイン:SHOTA HASUIKE
・2000円
ボード上に配置されたキューブを押したり引いたりしつつ、相手側の奥にある出口に到達するか、相手をキューブで押しつぶすことを目指す。邪悪な倉庫番のようなゲーム。キューブに遮られないかぎり無制限に移動できるのがトリッキー。


DiEcT(工房A)

・2人用 15~27分 10歳~
・3000円
どっしりした木製駒が目を引きます。正確なルールはわからなかったのですが、駒はすべて共有、白三角のコマを動かして丸いトークンを取り合うゲームのよう。


トライチェス(EBAGEM)

三角セルのボードを使う将棋・チェス風のゲーム。色ごとにコマを置けるセルが異なるため将棋のような置き換えによる捕獲は起こらず、三方を囲むことによって捕獲する。相手キングを詰ませるか、キングを対辺に持っていくか、相手のコマを半分以上捕獲することで勝ち。コマは6種類あるようで、どういう移動をするのか興味深い。チェスの変種としては意外になかったボードの使い方かも。


toreros トレロス(ピーナッツデザイン)

・2人用 15~30分 6歳~
・ゲームデザイン:ピーナツデザイン
・4,500円
闘牛モチーフのパターン作成ゲーム。闘牛士と牛の2種類のコマを使い、牛がループするような形を作ろうとする。牛は突進して相手の闘牛士を除外することができ、闘牛士は自分の牛の突進方向を変えられる。テーマありアブストラクトの最適解のようなデザイン性。公開されているルールはやや疑問点が多かったです(誰も勝利条件を達成できないときはどうするのか・牛の左右移動と相手闘牛士の左右移動で簡単に千日手が起こるのでは、など)


ネコノタテヨコ(のすけクリエイト)

・2人用 10分~15分 10歳~
・ゲームデザイン:のすけ
・2500円
見た目からしていかにもわちゃわちゃして楽しそうなゲーム。正確なルールはわかりせんが、中央のスタッフコマのもとに自分の猫コマをすべて到達させるのが目標のよう。


Mai 1968(Totsuca Watch Games)

・3人用 20分 8歳~
・ゲームデザイン:戸塚中央、Takeo Yamada
・1000円
3人専用かつ非対称で五月革命がテーマという、珍しいずくめのゲーム。労働者、機動隊、学生の陣営に分かれていて、攻撃できるのはそれぞれ決まった一陣営のみという3すくみのシステム。定義上はアブストラクトですが、スタイル的には達成条件によってスコアを獲得していく主流のユーロゲームの雰囲気があります。歴史的背景は分からなくても十分楽しめそうなルールです。


Reverse Line リバースライン(エレメントクリエイターズ)

・2人用 5~15分 12歳以上
・ゲームデザイン:サイファー
・1500円
オセロ+五目並べ。両面のリバーシコマと単色のコマの両方を使用し、単色のコマを挟んだら捕獲、リバーシコマを挟んだ場合は反転。単色のコマ7つを捕獲するか5目を作れば勝利します。2種類のコマを使用するのがありそうでなかったところ。(ツイートはパッケージ写真のある2024年のものを引用しています)


RoRop Paper Craft Edition、Butterfly Traial Edition (F.E.G)

・2~4人 15分~ 6歳~
・各1500円
斜面に置かれたキューブを下から取っていくゲームRoRop(ロロップ)の製作元による新作の試作品2作。RoRop Paper Craft EditionはRoRopの平面版で、プレイヤーごとに異なる方向からタイルを取ることができる。Butterfly Traial Editionは配置制限系のゲームで、辺の色がマッチする場所にタイルを置いていき置けなくなった方が負け。どちらもRoRop同様カラフルさが目を引きます(そのせいで写真がセンシティブ判定されるみたいなんですが)。


ミープルチェス(OLIN Studio)

・2人用 30分~ 14歳~
・ゲームデザイン:Olin Jeong
・2500円
こちらは通常ルールのチェスだと思いますが、駒がすべてミープルとしてデザインされています。寸胴でかわいい。ボードゲーマーにはこちらのほうが親しみやすいかも。


2023年春新作

以下は2023年春当時の情報に基づいています。秋のゲームマーケットで入手可能かどうかは各自でご確認をお願いします。


UNOZERO ウノゼロ(オカザキ)

サッカーモチーフのゲーム。共有の矢印タイルを置くか向きを変更し、ボールコマを相手側のゴールまで導きます。サッカーのアブストラクトは実は珍しくないのですが、こういう共有コンポーネントのものは珍しいかもしれません。なお作者のオカザキさんはこのゲームの分析や販売戦略についての文章をnoteでよく発表されていて、参考にさせていただいているものの個人的には第2作も考えてみたほうが色々見えてくるものもあるのではないかなあと思います。


横柄歩道(Q's Games)

横断系(トラバーサル)と呼ばれる、コマをすべて相手側に渡り切らせるタイプのゲームを横断歩道のテーマで表現。大人、子供、老人、犬という4種類の異なるコマが用意されていて、それぞれに異なる特徴を持たせることで少ないコンポーネントでも戦略性のあるゲームになっています。うまいテーマの与え方だなあと思いました。


Ziegen jagen! (ごみ国際)

「楽市フレッシュドラゴン大賞2023」で大賞を受賞した2人用アブストラクト。マンカラの「カラハ」がベースで、種類の異なる木駒のみで行うマンカラというアイディアが秀逸。複数種類の木駒で「種まき」を行い、最後にコマを置いた区画の状態によって異なるアクションが発動し得点を競います。見た目もおしゃれです。


STRIVE in the SQUARES(GOTTA2 GAMES)

カードゲーム風のアブストラクト。基本ゲームでは両プレイヤーが同じタイルを使用します。タイルの種類ごとに設定されたユニークな能力を利用して移動や捕獲を行い、中央に3つのタイルを置くことができれば勝ち。横に並んでいるタイルの数字の合計は一定以下にしなければならない、という形でコストを表現しているのが面白い。あまりなかったスタイルのアブストラクトだと思います。


SPYSPIN スパイスピン(EJPゲームズ)

オリジナルキャラクターを使用した将棋風のゲーム。将棋と同じように移動→置き換えで相手のコマを捕獲、取り捨てで先に2枚捕獲すると勝ち。移動したコマは一手ごとに反転し、異なる動き方のコマに変わります。デューク (Duke) をとても遊びやすくした感じと言えるでしょうか。説明書にはキャラクターの丁寧なプロフィールがあります。


デビルマーカー(たぬきの葉っぱ堂)

こちらは挟み将棋型のゲームで、最初は「天使」の向きでスタートし、敵に挟まれると「悪魔」に反転、相手の5つのコマをすべて悪魔にすると勝ちです。「悪魔」になると挟むことによる捕獲のほか、味方のコマを飛び越えて着地先の敵コマを「悪魔」にすることができます。追加の捕獲方法があるものの、挟み将棋型のゲームは膠着が起こりやすくその点はやや懸念あり。アクリルコマとボード兼用のバッグの豪華なコンポーネントで、筆者はあまりよくわかってませんがVRChatでも遊ばれているようです。


トリバーシ(Q's Games)

三色を用いる三人専用オセロ。自分の担当色だけでなく裏側の色でも挟むことができるのですが、オセロが3つ巴になるだけでなかなか読みづらいゲームになっているようです。意図したものかわかりませんが、コマの絵柄が鳥のくちばしっぽくも見えるので名前がダブルミーニングみたいになっているのが面白いですね。


NONUPLE(のすけクリエイト)

こちらは写真以外にあまり情報がありませんでした。コンポーネントは共有のようです。あまり見たことのない配置で気になっています。


ビードロ(芝浦工大附属中高  ボドゲブ)

1手番で「コマの配置」と「既存の自分のコマの移動」の両方を行う変則三目並べ。移動は他のコマかボード端に突き当たるまでの直線移動で、突き当たったコマは慣性によって同じ方向に同様の移動を連鎖的に行います。透明なコンポーネントが涼しげで評判になっていたようです。


リバースレーサー(y5.games)

4色を組み合わせたオセロコマを使う2人用ゲーム。コマは共有で、相手の手番の前にあらかじめ使うコマと上にする色とを決めておかなくてはいけません。オセロと同じように同じ色同士で挟むことによって裏返し、そのぶんだけ外周のスコアトラックのコマを進めます。15点先取で勝利。勝利条件の異なる複数のゲームモードが用意されています。


関連記事


いいなと思ったら応援しよう!