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時間切れ!倫理 97 部派仏教

(オ) 部派仏教
 このようにして、ブッダの教えを弟子たちは確認していたのですが、教えの解釈や具体的な行動の違いによって、仏教教団が分裂していきます。仏教教団のことをサンガといいます。サッカーチームの京都パープルサンガの「サンガ」はこれです。京都はお寺の町なのでつけたのですね。
 サンガは、上座部と大衆部(だいしゅぶ)の二つに大きく分かれます。上座部は、ブッダの教えのままそれを守っていこうとするグループ、保守派と書いてありますね。大衆部は、ブッダの教えを発展させて、あらたな解釈を加えてもよいのではないか、こういう解釈も可能ではないかと、ブッダの教えの、悪く言えば拡大解釈もよしとして、改革していこうとするグループです。この二つがさらに細かく分かれていって、全体としては部派仏教と呼ばれるたくさんのグループが生まれました。
 その代表が上座仏教と大乗仏教です。(先に述べた上座部と、この上座仏教は同じものではありませんから注意してください。※)上座仏教は東南アジアに伝わっていきましたので、南伝仏教とも呼ばれます。上座仏教において、悟りの境地に達した人のことを阿羅漢(あらかん)といいます。この言葉は、大乗仏教側による呼び方です。大乗仏教の人が、上座部仏教を少々見下して使った表現です。下に見るとはどういうことか、後で説明します。

※部派仏教以前の「上座部」仏教と、のちの「上座」仏教を区別せず、すべて「上座部」仏教としているものもある(ウィキペディア等)。しかし、教科書では、区別して記述している。二つを区別することは、部派仏教と呼ばれる教団の細分化を経ていることを示すことにもなるので、私は二つの表現を意識して区別している。

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