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時間切れ!倫理 163 ルネサンス 美術・思想

美術

 ボッティチェリ(1445?生)。『春』『ヴィーナスの誕生』が代表作です。 『ヴィーナスの誕生』は教科書に絵が出ていますね。皆さんも見たことがあると思います。ホタテ貝の上にヴィーナス=アフロディーテが乗っています。これは古代ギリシア・ローマの愛と美の女神です。キリスト教とは関係がない神です。この女神が一糸まとわぬ姿でこちらに向かってる。春です。裸です。完全にローマ=カトリック教会の教えに対する挑戦ですね。

 レオナルド=ダ=ヴィンチ(1452生)はご存知だと思います。『モナリザ』も有名ですが『最後の晩餐』は覚えておいてください。技法的にも優れていてルネサンスを代表する画家です。

 ミケランジェロ(1475生)は彫刻家・画家です。『最後の審判』『ダヴィデ像』『ピエタ像』『モーセ像』など代表作はたくさんあります。ダビデ像は、旧約聖書に出てくるダビデの裸の像です。題材は聖書だけれど、非常に美しい少年の裸体です。古代ギリシア・ローマにはこういう裸体の彫刻がたくさんあった。それを復活させたわけです。
 『ピエタ』の写真も載っていますね。イエスが処刑された後、その遺体をマリアさんが抱いているところです。キリスト教が題材ではありますが、我が子を抱いているマリアの姿というのは、普遍的な子供を思う母親の姿であって、キリスト教の教えを越えて人間の普遍的な感情を表現しているのです。

 ラファエロ(1483)は「聖母子像」を多数残しています。マリアさんが、赤ちゃんのイエスを抱いているという図柄の絵をたくさん書きました。マリアさんは、当時のイタリアの女性の衣装を身に着けている。マリアとイエスという題材を借りながら、当時の美しい女性の姿を描いたのです。『アテネの学堂』は以前にも紹介しました。古代ギリシア・ローマの学者たちを一堂に集めて描いた作品です。中央に、アリストテレスとプラトンが描かれていますが、アリストテレスのモデルがミケランジェロ、そしてプラトンのモデルがレオナルド=ダ=ヴィンチです。 ラファエロの、古代ギリシア・ローマの学者たちに対する尊敬の気持ちと、先輩であるレオナルド=ダ=ヴィンチとミケランジェロに対する尊敬の気持ちが込められている絵画です。

思想

 ピコ・デラ・ミランドラ(1463生)は『人間の尊厳について』。人間の尊厳、自由意志を尊重した。名前だけで結構です。

 マキャヴェリ(1469生)は『君主論』。当時のイタリアは戦国時代です。日本の戦国時代と同じ。小さな国に分かれて戦争が続いていました。マキャベリは、このイタリアを早く統一したいと考えていた。統一を成し遂げるような君主が現れることを期待します。そのような君主に必要な資質は何か、を考えたのがこの本です。君主には、権謀術数が必要。嘘をついても、人を裏切っても構わない。狐のずるがしこさと、ライオンの獰猛さを兼ね備えた君主が現れて、イタリアを統一してくれることを期待した。ヨーロッパで最初の政治理論としても有名です。

 ここまで紹介した人々は全てイタリア人です。ルネサンスはイタリアから始まったので、当然です。やがて、このルネサンス文化が北ヨーロッパに広がっていきました。

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