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鈴の音
今朝、秋の気配を感じた。
これから夏だっていうのに。
些細なことでも敏感に感じ取る。そのような性質があることを知ったのは、随分大人になってからだった。
周りとは違う受け止め方をし、周りが気づかないことに気づく。言葉より、その人から伝わる「何か」を受け取り、拒否したり受容したりする。
よくある「そんな気がする」が、気がするだけに治まらないような感覚。突然、目の前に虫が飛んできてドキッとしたり、急に寒い所に行ってゾクッとするような、体感として捉えてしまう否定し難いもの。
以前、「鈍感な世界に生きる敏感な人達」という本を読んだ。偶然目に入り、私のことだと思ったからだ。
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内容は、HSP(Highly Sensitive Person)について書かれているものだった。HSPとは、簡単に言うと「繊細な人」のこと。だからこそ生きにくく、上手く付き合うにはどうしたら良いか、みたいなことが書いてあったと思う。
ページをめくると、早速「HSPチェックリスト」が用意されていた。こういう自己診断は好きなので取り組んでみたが、驚くほどチェックが埋まった。
中身を読み終え、共感できることが沢山あった。そして、それで終わった。私にとって、B型の取扱説明書(私はB型)のようなものだったからだ。
あくまで性質のひとつ。そこに善し悪しはない。あるとすれば、周りから理解されにくい悪と、人の気持ちが分かる善だ。
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今日も誰かの、鈴の音聴こえる。
kanako