癒し?睡眠?必要な休み方
「1時間くらい寝てきてもいいよ」
悪性リンパ腫(検査中)の父は、体調が不安定。良いときは、座って会話したり、スマホやパソコンを操作できる。悪いときは、横になって目をグッと閉じていたり、寝ていたり。
一時期ひどかったダルさは薬を処方してもらって、かなり改善された。そのおかげで、起きている時間が圧倒的に増えて、歩くときにふらつくことが少なくなったこともあって、24時間体制で見守らなくてもよくなった。
母・妹・私で父のそばに付きっきりで、交代で1人の時間をつくることにした。父の体調が良くなったので、わずかだけど精神的に落ち着いたから。
さて、急にできた1人時間。なにをして過ごすか。
眠れそうもないけど、体は休めたい。見てる途中の韓流ドラマ『涙の女王』を再生してみるけど、余命3ヶ月の妻と旦那さんの掛け合いが、今まで以上にシンドい。
「私がいなくなったら・・・」とか、「もう治らないの!」とか、考えたくない領域にドシドシと土足で踏み入れられてる感じ。
これは父が良くなってから観ようとあきらめた。
次は本を読んでみよう。読みかけの本があって開いてみる。突然殺されてしまった父親になにがあったのか、不思議な能力がある女性と辿っていく物語(魔女と過ごした七日間)。
読み進めると、ある感情が浮かび上がってきた。これ、病院の待合室で読んでたな・・・ってこと。1~2時間も待ってたこととか、車いすに乗ってる父が「お尻がイタイ」ともにょもにょ動いていたこととか。
物語のうしろ側で、病院での情景が流れている。次に呼ばれるんじゃないか、あっちこっちで響く呼び出し音も聞こえてきそう。もう、集中できない。
こうなったら病とは関係がなく、明るいことを考えられるようなものを見ようと思い、YouTubeの門をくぐった。
おすすめのところに、好きでよく見ていた大食いや咀嚼音のASMRが出てきた。色鮮やかなたくさんのフルーツを前に、言い音を出しながら食べてる姿に、癒された。
「こんなにたくさん食べれていいな」ってうらやましかったけど、今はただ人が食べてるところをぼーっと眺めている。なんか、とっても癒されるな。なんでだろうか。。。
なんて考えていたら、2時間が経っていた。寝ていたようで、目も頭もスッキリ。私に必要だたのは、癒しと睡眠だったみたい。寄り道はしたけど、必要なものにたどり着けてよかった。
リビングに行くと、刑事もののドラマを真剣に見ている父。今、父にとって起きてしまった事件の真相を追うことが、必要だったみたい。牛乳を差し出して一緒に飲んだ。