人間の証明 角川歴彦

今日は「人間の証明 角川歴彦」というテーマの文章を書きたいと思います。

東京オリンピックに絡む汚職疑惑により、突如、検察に逮捕・拘留された元KADOKAWA会長の角川歴彦氏。

本人にとっては寝耳に水な事であり、真っ向から全面否認。
そんな彼が検察による「人質司法」で苦しめられてきたことを踏まえ、国家に対して訴訟を起こすことを決意した経緯が書かれたのが本書。

まず、本書にも出てくる「袴田事件」という、検察によって殺人事件の証拠捏造という醜いことをされ、そして、「死刑宣告」まで受け、数十年間、自由な暮らしを奪われ、精神的苦痛を奪われた袴田巌さんの無罪判決が確定した件もあって、検察の信頼は国内外で大きく揺らいでいます。

過去にも検察は「人質司法」に伴う捜査を経て、数々の失態を犯しております。

そんななか、彼の本を読んでると、司法にも明るくない、一般人の私から見ても、「検察の捜査手法の危うさ」「権力の暴走」「拘置所の論理」など、検察に対する信頼を失ってしまうようなことが多々書かれております。

また、過去に拘置所に収監された経験があるホリエモンも「角川さんには訴訟を頑張ってもらいたい」とコメントしてます。

角川氏は80歳を超える高齢で、持病も持ってたということもあり、もしかしたら拘置所内で亡くなってしまうかもしれないという危機感があったそうです。
むしろ、検察はそれを望んでた可能性もあるんじゃないかと一部の弁護士は言ってたそう。
なぜなら、今回の逮捕・勾留は、自白を強要させないことには前に先に進まない、難しい、つまり、検察にとって「有罪に持ち込むのが難しい」案件だそう。

拘置所内での角川氏の検察による扱いや態度、また、彼がどんな気持ちで独房中で暮らしていたのか、リアリティーを持ってそれを知ることができます。

外の世界とは完全に遮断され、窓の外も殆ど見えない閉ざされた環境にいると、「自白して楽になりたい」という欲に駆られるそう。
わざわざ独居房内の窓を付けてるのは、被疑者のためでもなんでもなく、酷い扱いだなどの国際的な批判を避けるためとの見方があるそう。とんでもない組織だ。権力の暴走を許してはならない。

また、彼は知人などに支えられたと言ってます。
知人が差し入れてくれた上限3冊までの本があったおかげで夜の時間をそれを読むことに当て、勉強することができたと。
つまり、人と本が心の支えになってた、と。

そして、弘中惇一郎弁護士は「憲法と国連に訴えなければ駄目ですよ」と言ったそう。
こういうまともな弁護士がいてくれるのは救いです。

いやぁ、個人的に、彼には当事者として司法制度にメスを入れられるよう、これからも行動を続けてほしいですね。応援しています。

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