ロストケア
今日は「ロストケア」というテーマの文章を書きたいと思います。ネタバレ含みます。
2023年3月公開の映画、ロストケアをアマプラで鑑賞しました。
長澤まさみ、松山ケンイチ主演作品です。
これもまた色々と考えさせる映画ですね。
この作品が取り扱ってる内容は現実社会でも起こってもおかしくない「事件」であり「大きな社会問題」だとも思いました。
介護や認知症という、自分や家族など誰しもが身近で「起こる」可能性があって、それが自分自身や家族を苦しめてしまうという、とても深い問題がある。
そして、松山ケンイチはそういった「苦しみ」から解放するために、殺人を次々と犯してしまう。
しかし、松山ケンイチは介護士としてすっごくまともで、ものすごく優しい人間なんですね。
これは周囲の誰もが認めるところです。
だからこそ、それ(殺人)を知った人々は驚き、悲しむ。
また、松山ケンイチが次々と殺人をするに至った経緯があるんですが、それが衝撃の事実で、そして、切ない。切なすぎる。
一方、長澤まさみは検事役で、松山ケンイチを追い詰めていくわけですが、2人の掛け合いが見所で、これがまたすごい。
お互いが「それぞれの正しさ」を主張をしていくわけですが、正直、殺人を犯した松山ケンイチの意見や思いも分からないではない。
もちろん、殺人は決して許されることではないし、倫理的にも駄目です。しかし、松山ケンイチと同じ状況に陥ったら、、。
長澤まさみも事件を追及するなかで、ひとりの人間として、介護や痴呆に苦しむ本人やその家族のリアルな実態を知ることによって、心の奥底で深く葛藤し、苦悩する。
こういった「答えがない」作品はいいですね。
モヤモヤはしますが、別の見方をすると「考える余地がある」ということなので、考える材料としてすごく良い。
また、やはり、社会の支えや支援もやっぱり必要ですね。その家族だけに介護を押し付けるのは酷です。
まぁ、言うのは簡単ですが、社会で助け合い、支え合うことってとても大切ですね。
殺人は駄目ですが、全ての殺人が悪いとは言い難い。そんなことを思わせられる作品でした。
今日も勉強になった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?