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【本との出会い25】常設展示室~原田マハ~
ゴッホ、ピカソ、フェルメール、ラファエロ、マティス、東山魁夷、6枚の絵画が彩る物語。
原田マハの美術小説、短編集です。
6枚の絵画と、人間模様が、微妙に、巧みに重なり合い、つながる構成は見事というほかありません。
とにかく、原田さんの小説には、最近引き込まれています。
1.原田作品の楽しみ方
この小説のほかにも、原田さんの小説には名画がたくさん登場します。
ちょっと美術をかじっている人なら当然わかるという有名な画家、絵画の登場が多いわけですが、あまり美術に興味がなかった人(私も)にとっては、その絵画そのものを知らないわけです。
なので、小説を読みながら、画家や絵画が出てくるたびに、ググるわけです。
そうやって、ググると、今度はその絵の複製画の広告が出てきたりするわけですよ。
「デルフトの眺望」フェルメール。
一目見て、この絵のとりこになってしまいました。
複製画だけど、買ってしまおうかな・・・・。
と考えているときに、手に持った文庫本から、ぱらりと広告がすべり落ちました。
2.小説に登場する絵画がカレンダーとして販売しているってすごい
小説からパラりと落ちた広告には。
なんと、「常設展示室」に登場する6つの絵画を入れ込んだカレンダーの広告でした。
これはすごい。
小説読み終わる前にネットでぽちりました。
これで、私の書斎は「常設展示室」です。
3.あらすじは書きません
どれも、感動的でちょっと心がすっきりする話です。
その中でも、私は、このフェルメール「デルフトの眺望」が出てくる「老いた父」の介護を囲んで揺れる姉弟関係のお話が好きでした。
それにしても、この小説の題名「常設展示室」にはその美術館の自慢の1枚が展示されているもののようです。
企画展とは違って、いつでも鑑賞者を待っていてくれる絵画のやさしさやそういう作品との付き合い方というか親しみ方、それぞれの美術館の味を楽しんでいると、違ったストーリーが見えてきますよ、という、著者のメッセージを感じました。
4.原田マハさんにはまって大変
それにしても、「たゆたえども沈まず」のゴッホに始まり、絵画ではないけど女性ライダーを主人公にした「さいはての彼女」など、原田作品を読み始めると止まりません。
そう言いながら、さっきは、「楽園のカンヴァス」をkindleに取り込んでしまいました。
なぜ、急にこんなに、絵画に関心持ち始めたのか自分でもわからないです。
YouTubeでも、絵画に関するものばかり見てしまいます。
きっかけは、間違いなく「原田マハ」。