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ひたちなか海浜鉄道のキハ205最初で最後の夜行列車に乗つてきたヨ 前編

 いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。
 身の回りに、どうしても関はらなければいけませんが、顔も見たくない声も聞きたくないといふ人、ゐませんか。
 私にもゐます。では、どう対処するか。存在を認めない。ゐないものとして捉へてゐます。その人が発する声は、耳障りな音楽と同じただの雑音。視界に入つたら、足元に落ちてる煙草の吸ひ殼と思ふようにしてゐます。

 続いて宣伝です。日本花卉文化株式会社さまのマガジンに、以下の記事を書かせていただきました。併せてお読みいただけたら幸甚です。

 さて、今回は、茨城県。ひたちなか海浜鉄道の夜行列車に乗りに行きました。あの短い路線で夜行!?

 旅行読売さまのツアーで、キハ205を用ゐた最初で最後の夜行列車です。

 どうか最後までお付き合ひください。

旅立ち前、日暮里の斎藤湯に行きました。斎藤湯を出て、日暮里駅に行くと紙芝居をやつてゐました。かういふぬくぬくなことが、今なほ続いてゐることに感動しました。元教員の玉川、幼児教育には絵本と紙芝居が理想だと考へてゐます。子供にタブレット端末など要りません。絵本の読み聞かせと紙芝居で良い子が育ちます(玉川がさうですから)。
山手線で上野駅に行き、ここから特急ひたち19号に乗ります。私の隣には外国人。群れで来ました。ラフマニノフを聴き、心を落ち着けます。ルービンシュタインのピアノも素敵ですが、ラフマニノフはラフマニノフ本人の演奏が良いですね。
土浦駅のあたりでは、蓮根畑の夕暮れが見えてました。列車は17:11、勝田駅に着きました。改札を出ると、鉄ヲタ感あふれる人たちが群れてゐました。
玉川も受付を済ませました。素敵なファイルには、今回のツアーの概要が書かれてます。なほ、今回のツアーでは飲酒は禁止です。仕方ありません。
係の方の説明の後、湊線のホームに移動します。勝田駅の1番線は、目立たない地味なところにあります。私は、さういふところが好きです。
しばらくホームで待つてゐると、列車が入線してきました。
その後ろには、今回の目的の車両にして今宵の宿であるキハ205が連結されてゐます。
玉川、この車両に初めて乗ります。今まで特に意識をしてませんでしたが、趣ある車両、魅力満載です。
素敵なヘッドマークがついてゐます。
キハ205ですが、製造は昭和四十年。玉川より十六歳も年上です。以前は水島臨海鉄道で走つてゐました。同じ形の車両も、東西南北、各地で活躍しました。
車内はボックス席です。
玉川の席ですが、女性といふことでこのやうな席に案内されました。小回りが効いて良いです。しかし、ここで寝るのは如何でせう。
運転席です。アナログ感満載ですが、これが良いです。
扇風機はJR西日本から譲つていただいたものださうです。表示が残つてゐます。ひたちなか海浜鉄道の社長から直々に教へていただきました。
危険物持込禁止の表示が、当時を偲ばせてくれます。
サア、間もなく出発です。17:43、列車は勝田駅を出ました。後ろの車両は定期運行の列車なので各駅に停まります。この車両は団体専用といふことで誰も乗つてくることはありません。
たくさんいただきました。左の写真集は素敵な写真がたくさんあります。
今回のフリーきつぷです。座席も表示されてゐます。日付の横の猫が可愛いですね。
出発して間もなく、社長のお話しが始まりました。社長は腰が低くて気さくな方でした。社長のお話しによると、那珂湊は江戸時代から続く港町で、明治時代に現在の常磐線が開通した際に、ルートから外れたとのことです。さうしたことから現在の湊線ができたとか…。
暗闇の中を列車はひた走ります。『万葉集』の歌にその名の由来がある美乃浜学園。素敵な学校名ですね。横文字使つたり、適当に良さそうな漢字を並べただけで出典さへない変な学校名は論外です。このやうに、車窓は暗闇です。
18:12くらゐに阿字ヶ浦駅に着きました。
サボも良い感じです。
しなしながら、車両はくたびれてゐます。窓は割れてゐてテープで修繕されてゐますし、床もボコボコなところがあります。長年の疲労が至る所に出てゐる。痛々しくも、雄々しいこの車両。心惹かれます。
駅舎の方へ向かひませう。
なにやら鳥居のやうなものが見えますね。
神社のやうです。鉄道神社、御祭神はキハニニニ命。キハ222が御神体です。
阿字ヶ浦駅の駅舎の中です。
外に出てみました。少し肌寒いです。
かうして古い車両が並ぶと、令和の御代とは思へませんね。まだ見ぬ昭和、のやうです。
再び勝田方面へ走り出しました。車窓は磯崎駅を出たあたり。光の向かうは太平洋ですが、暗闇の中です。どうなることやら。

 最後までお読みいただき、ありがたうございました。続きをお楽しみに。

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