
大切なプロジェクトはなだらかに、誰かの手から誰かの手へ。
岐阜県各務原市で行われる、3万人とか4万人とかの来場規模と言われる巨大マルシェイベント「マーケット日和」が今年も終わった。
市役所と民間(主にかかみがはら暮らし委員会)の共同で実行委員会形式で運営するこちらのイベント、私も企画に関わりだしてもう5年ほどになる。
イベントは大盛況で、出店者さんにも来場者さんにもたくさんの労いや、応援や、感謝をいただき、嬉しさいっぱい。
至らない部分や、細かい反省点ももちろんあるけれど、大きな問題もなく、事故もなく終えられたことが本当にホッとした。
それとともに、こんな大きなイベントの企画を自分たちがしているなんて・・・という「他人事」感もあって不思議な気分でいるのが今。
2014年のマーケット日和初年度に、市役所の知り合いの方に「出店してよ」と言われて出店したのが始まり。
翌年の2015年は、「企画の方でお手伝いして欲しい」ということで開催直前に招集がかかり、よくわからないまま全力で出店者さんを集め、開催。
2016年は、1年前からきちんと打ち合わせを重ねながら、初めて自分たちで企画をした(全部ではないけど)と言えるようなイベントになる。
2017年は、さらに内容をブラッシュアップし、2018年はコラボ出店などの新しい試みをし、2019年もお食事会などのコンテンツ強化でさらに進化して、結果的に今年は今までで一番来場者が多かっただろう。
自分の「たのしい!」「素敵!」と思えることが行政の大きな大きなイベントで反映されて、自分がイベントを作っている実感が確かにあった。
街を動かしてる、とすら思ったりしていた。
「素敵なイベントをありがとう」とたくさんの人に言われて、嬉しかった。
大きく自信もつくし、人脈も増えて、なんでも自分でできそうな気がしていた。
マーケット日和に関わることは、自分の成長とつながっていた。
そんな素晴らしい経験の裏には、毎月の夜中までかかる打ち合わせや、事前の準備、発信など、やることもたくさんあって1年中ずっとマーケット日和のことを考えてるな〜という日々があった。
しかも実行委員会は基本的に全て「無償」で関わっている。
自分でこういう言い方はしたくないけど、いわゆるボランティアなのだ。
行政主催のこのイベント予算に「ディレクション費」はつかない。
企画を練って、コンテンツを決めて、数百の出店希望者さんのリストを全て目を通したら慎重に選出し、丁寧に出店場所を決めて、バミリして、フライヤーやサイトを作って、SNSを頻繁に更新して発信し、様々な詳細を詰めて、天候にドキドキしながら当日を迎える約1年。
もし自分たちが何か報酬を必要とするならば、何か項目上の工夫をして自分たちで作り出すしかない現状。
正直、しんどいすぎるな・・・と思う部分もありつつも、お金ではなくこのイベントをきっかけにしてお店にお客様が来てくれたり、違う仕事に結びついたり、多方面で波及していると信じて続けていられた。
事実、このイベントを通して自分が得られたものは計り知れない。
本当に良かったと思っている。
でも。
私は去年の段階で、そろそろ実行委員会も少しずつ人を入れ替えて刷新していくべきだろうと漠然と思っていた。
お店をやっていたからこそマルシェのイベントに興味をもって楽しく企画して来たけれど、年々お店のスタンスも変わり、自分自身の興味も変わり、「マルシェイベント」そのものへの熱量が少し薄くなって来ていた。
年齢も重ねて、以前より体力も自信がなくなった。
と、同時に、出店者さんや来場者さんの期待値も年々上がる。
クオリティも上がっていき、名実共に「岐阜のビッグイベント」になっていると思う。
そんなイベントを、もっともっと楽しめる人、興味のある人、新しい発想で前に進められる人に加わって欲しい。
個人的には、きちんとコミットしたいと思える人を育てて、関わる人を増やして、イベントは少しずつ誰かの手からまた新しい誰かの手へ滑らかに渡っていくのが望ましいと考えるようになった。
(もちろん、これは私個人の思いであり、他の実行委員会のメンバーがどう考えているかは別だけど。)
そんな中迎えた、今年のマーケット日和。
たくさんのボランティアスタッフさん、協力者に恵まれ、今までになく「これはまた次の新しい風が吹くかも」と感じることができた。
可愛くて楽しそうでやる気に満ち溢れた大学生スタッフたち。
仕事を持ちながらも興味を持って参加してくれた社会人スタッフたち。
みんなが魅力的で、大きな大きな可能性を感じた。
別にこの記事は、引退宣言とかでもなんでもなく、「続けていきたいプロジェクトは、自分がいついなくなっても緩やかに変化し、進化し、幸せに続いていく」のが理想だなと常々思っているので、その可能性が見えた嬉しさで書いたものだ。
プロジェクトだけじゃない。
自分が関わるかかみがはら暮らし委員会という団体や、自分がやっている長月というお店、他の小さなイベント・・・などなど、今は「自分や固定の人がいなくても続いていく仕組み作り」に興味がある。
私はいつだってステージに上がる人間ではなく、まずは自ら動いて物事の成り立ちを理解し、思想を作り、持続可能な仕組みや環境を作る側に回りたい。
そしてサポートをしながら、キラキラと輝く人たちを育てていきたい。
多分そんな気分なんだろう、今。
マーケット日和という大きなプロジェクトの中心に関われるのは、大変なこともたくさんあるけれどそのどれもが全て自分の身になり、成長させてくれる、価値のある活動だと思う。
学びながら、たくさんの人と関わって、次のステージへのステップにもできる。
学びたい、楽しみたい、関わりたいと思う人がいたら、是非一緒にこれからのイベントを作っていきたいなと思う。
さて、これからも楽しみだ。
(※この発言は私個人の思いであり、所属する組織の公式見解ではありません。←書いてみたかった)
(けどみんな、多少なりともそんな思いがあると思う、多分)
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疲れた体に肉を与えると共に、次に活躍する誰かのために、まだまだ頑張ります💪
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