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詩、短編小説

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詩や短編小説の置き場
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マコの冒険日記3

マコの冒険日記3

ボクは妖精の国に住むコーヒーカップの妖精マコ

人間の国に来てしばらく経ったから
一度会ったことのあるニンゲンに会いに来たんだ

どうして会えるのかって?

それはボクが妖精だからだよ☆

この辺りにいると思うんだけどな〜
あ!いた!おねぇさーーーん!!!

「ようこそ、宮崎へ!迷わずに来れた?」

笑顔で迎えてくれたのは
靴を左右で間違えちゃうお姉さん

今日は間違えてないみたいで安心したよ

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【詩】緩み、ゆく

【詩】緩み、ゆく

ようやく世界が眠りにつくころ
耳を澄ませて聞こえるのは
かわいい寝息

ああ、今日も終わった、と
そおっと息を吐く

心と体がどんどんゆるんで
このままとけてしまいそう

でも、まだ早い、と
ゆるむ心に力をこめるけど

一度緩んだものは思うようにならず
そのまま世界にとけていくのです

☁︎.*・゚┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈゚・*.︎︎☁︎︎︎︎

いつもの夜をことばにしてみました
寝落ち、しちゃうん

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【短編小説】甘えと秘密

【短編小説】甘えと秘密

カタン...

待ち合わせの教室に勢いよく足を踏みいれる
先生に呼び止められてしまったから
間に合うよう急いで来たのに
そこに友人はいなかった

代わりに
夕陽を背に ひとり読書する少女がいた

ページをめくる仕草がやけに絵になるその人は
独特の近寄りがたい雰囲気をまとっていた

あれは知らない人だけど…先輩…だよね?
もしかして、ヒロは先に行ったのかなぁ
知らない先輩と一緒の教室にいるのは
なん

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【詩】仮面の微笑み

【詩】仮面の微笑み

カランと音が鳴る

それを合図に笑顔の仮面をつける

これは生きていくためだと
自分に言い聞かせ普段よりもワントーン高い声で
愛想をふりまく

そうやって人と接すると
内側からもう1人の自分が顔を出す

ああ、うまく演じているな
と自分を褒めたくなって
もっと演じたくなるから不思議だ

でも時々
仮面をつけた自分が
ヒトではない何か、のような気がして
自分という存在が足元から崩れ落ちる感覚に
襲わ

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【詩】その手に

【詩】その手に

ふわふわした ちいさな手

それはまだ外の世界を知らない

少しゴツゴツした 私とおなじくらいの手

いろんなことを知って、まだまだ大きくなる

その手でなにをつかむ?

ふたつの手は形は違えど

どちらも大切で 尊くて

その先を想うだけでわたしはしあわせ

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

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【詩】想いで走る

【詩】想いで走る

友達みんなで入賞するんだ
その心でずっと練習に励んできた

宿題がたくさんある日も
声をかけあい乗り切った

緊張が走る本番直前
朝から違和感のある足に激痛がはしる

みんなには言えない
ここで交代するなんてありえない
ぼくが最後まで走らないと!

痛みを押し殺しレーンに立つ
みんなの想いをのせたバトンを受け取る

思い通りに動かない足
今だけでいいからしっかりあがれ

みんなのために
ぼくのため

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【詩】想い出と

【詩】想い出と

押し入れをひらいて、服を探す

もう必要のないものだけど
授業で必要な時があるよと
先輩ママの助言があり

キレイなものだけ
大事にとっておいたのだ

数年ぶりにみる赤ちゃんの服
なんてちいさくてかわいいのだろう

頬がどんどんゆるんでいく

どの服をとっても
思い出すのはこどもたちの笑顔ばかり

過ぎてしまった時間が愛おしく
またそう思えることも幸せで

少しだけ目をうるませながら
想い出と一緒

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【詩】触れられない距離

【詩】触れられない距離

互いを憎んでいるわけでもなく
慈しんでいるわけでもない

ただ背中を合わせて立っているだけ

柔らかいところをさらけ出し
溶け合い ひとつになることを
望んでいたのに

臆病な私は
深く、鋭く
入り込むことができなかった

花のように互いを慈しみ合い
視線をかわし

あなたの魂ごと 混じることができたなら
どれだけ幸福なのだろう

その幸福をつかみたいと願いながらも
未だに自分をさらせないでいる

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【詩】葛藤の夜

【詩】葛藤の夜

何も望まないと言いながらも
必死で何かをつかもうと もがいてる日々です

そもそも私の望みとはいったい何だったのか

眠りたい時に眠ること
食べたいものを思いっきり食べること
夜露をしのげる家があること

そんなシンプルなことが
1番の幸せだと知っているのに
まだ何か、と望んでしまう

欲が深い  と自分を嘲笑(わら)いながらも
これが自分なんだと認め
静かな夜を過ごし

また
私は何かをつかもう

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【短編小説】マコの冒険日記

【短編小説】マコの冒険日記

ボクは妖精の国に住む
コーヒーカップの妖精マコ

この国には時々
ニンゲンの世界からの迷い人がやってくるんだ

こないだはゴツゴツした鎧を着た人が来たし
その前は右と左の靴が違う女の人がやってきたよ

びっくりしたのは
家族でやってきた人がいたことかな?

ニンゲンの世界では、
いろんなモノを持ったり
服を着たりすることが普通みたい

ボクはコーヒーカップだから体はツルツルで
何も着ないから不思議

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マコの冒険日記 2

マコの冒険日記 2

ボクは妖精の国に住むコーヒーカップの妖精マコ

実は今、ニンゲンの国に来ているんだ

迷い込んだニンゲンを探していたら
いつの間にかニンゲンの国に来ちゃったんだ

これってすごい奇跡だよね!

いろんな話を聞いていたけど
ニンゲンの国ってやっぱりおもしろい

毎朝コーヒーを飲む人が多いのは本当だったよ!
コーヒーカップの妖精としては
うれしくて飛び回っちゃった!

でもみんな上手に入れてないんだよ

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【詩】かなこの さご

【詩】かなこの さご

かなこのさご

さご、さご、さご

あれ〜どこに行ったのかな、私のさご

こっちにあるのかな?
ふわふわした足取りで探すけど、やっぱりない

あっちかな?
しっかり歩きたいのに、なぜかふわふわしちゃう

さごがないと、なんだか落ち着かないの

柔らかくて、まるくて、白くて
ギューっとしたくなる

そんな私のさご

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

standFMでのLIVEで私が誤字ったことから
できたモノ

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