言葉のプレゼント
雲の隙間から広がる光のカーテン。
これが小4の時から好きだった。なぜ好きか。神様の通り道のようだから。
そんなことを4年生の詩の時間に書いた。私の詩を担任の乾先生は「かなちゃんの作る詩が、先生は大好きよ。」そう言ってくれた。
私はその言葉を、この雲の切れ間から刺す光を見るたびに思い出す。
「アッ。神様の通り道。乾先生。」
いつもこの風景とセットで乾先生を思い出す。先生は私がそんなことをいつも思い出しているなんてことは知らない。
でも、こうやって何気ない「好きよ」と言ってくれた言葉が、いつも私を支えてくれているような気がする。
自分の「好き」は人からの「好き」に支えられていると思う。
文章を書くことが好きになったのは、乾先生が認めてくれたからだと、今も思う。人はそうやって知らず知らずに言葉を人にプレゼントしている。
私は当時の乾先生のように、誰かに言葉をプレゼントしているだろうか。
いつか誰かの心に残る言葉を、渡せる自分になれればいいなと思う。言葉という最高のプレゼントを渡せる人になりたい。