#6『スーパーマリオ64』から学ぶゲームデザインの引き出し(3)「ステージセレクト画面」
遊んだゲームから、一つのアイデアに注目してゲームデザインの実例を勉強していく連載記事です。今回は『スーパーマリオ64』の分析をしてみましょう。
ゲームの紹介
『スーパーマリオ64』はNINTENDO64で発売された、3Dのワールドを自由に歩き回るタイプのジャンプアクションゲームです。
『スーパーマリオ64』 / Nintendo
それまでの2Dプラットフォーマー(横スクロールジャンプアクション)の「マリオ」シリーズとは異なり、3Dの世界を走り回って冒険するというのは、今でこそ当たり前ですが、当時は画期的でした。
平原から始まり、砦、雪山、水中、洞窟などバリエーションに富んだステージ、各ステージに散りばめられた秀逸なギミックや敵キャラ、数々の隠し要素などの楽しさはさすが「マリオ」という感じです。
マリオ64のステージセレクト画面
『スーパーマリオ64』はゲームを開始すると草原から始まり、お城の中へと進んでいきます。お城内部の各部屋に飾られている絵画に飛び込むことで、各ステージが開始するという流れになっています。
つまり、お城は各ステージを繋ぐ「ステージセレクト画面」の役割になっていて、絵画の中のステージが「ゲームの本番」となっています。
ステージセレクト画面でアクションの練習
初代『スーパーマリオブラザーズ』ではステージセレクト画面はありませんでしたし、『スーパーマリオブラザーズ3』では2Dマップ型のステージセレクト画面がありましたが、そこにアクション要素はありませんでした。
『スーパーマリオ64』では、ステージセレクト画面に相当するお城自体が、すでにアクションを楽しめる場となっています。
これは、世界の広がりを感じさせるという意味もあるでしょうし、プレイヤーがまだ慣れていないであろう様々なアクションを自由に練習するための場になっているといえますね。
アクションの練習を意識しているであろう点として、城を入ってすぐの場所には数枚のコインが配置されているのですが、これは通常のジャンプでは届かない高さになっています。
『スーパーマリオ64』 / Nintendo
これはハイジャンプや、足場からのジャンプなどのアクションを試すための練習としてちょうど良いものとなっていて、それを狙ってわざわざこのような場所にコインを配置しているのでしょう。
ステージセレクト画面をデザインし直してみる
本作以外にも、ステージセレクト画面がゲーム本編と同じ仕組みで作られていて、世界観を表現していたり、練習を兼ねていたりというゲームは沢山あります。
皆さんの遊んでいるゲームや、開発しているゲームでは、どのようなステージセレクト画面になっているでしょうか。
単に文字で表示されたメニューからステージを選ぶだけでしょうか?
それなら、絵やアイコンなどを表示すれば、更に世界観を表現できるかもしれません。
または、2Dあるいは3Dのマップとして表現されているでしょうか?
その場合、マップにチュートリアルの要素を持たせることはできないでしょうか?
ゲーム本編と同じ形式のアクションなどで、ステージセレクト画面を実装できないでしょうか?
皆さんも一緒に、色々とアイデアを考えて勉強してみましょう。
本連載の趣旨については下記記事をご覧ください。
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(※本記事中のゲーム画像は、「引用」の範囲で必要最低限の範囲で利用させて頂いています)