#1【痩せかデブか二つに一つ】役作りと人間造り
しばしばいただくこんな質問。
役作りってたしかに、どんな風にやるんだろう?お芝居を始めて15年目ですが『これ!』っていう一つの答えはないけど、だからこそよく言っています。
そして毎度思います。面白くない答え方して本当にすみません💦
おそらく最高の返答って、『タクシードライバー('76)』に出てたロバート・デ・ニーロが、撮影前にタクシー会社でアルバイトをして何人もお客さんを乗せて走って役作りをしたっていうあの最高にホットなエピソードでしょう。
わかる。すごいよね。
最高の役、最高の映画が出来て後日談の面白エピまで出てくるのだから。
そんなかっこいいこと私も言ってみたいなぁ~なんてことを思いつつ。つまりは役作りって役に対しどう向き合ったか。という話でもあるんだけど、よくよく考えて、経験できない分野の役が来た場合どうしたもんか?ってことなわけです。(殺人鬼や銀行強盗、ゾンビや宇宙人とかね)
逆に言えば、等身大の役が来たからって「役作り」はしてません!なんてこと、果たしてあるんでしょうか。
まずここではっきりさせたいのは、「役作り」というのはそもそも
●何かをする、準備する
ということではなく、
〇どのようにそこまで生きてきたか+それをどのように出すか
の方が、より重要になってくる。
そして、ここでいう「役作り」が、俳優を生業としていない人にも色々当てはまってくるのでは…??いやむしろ、俳優は俳優じゃない人に評価をされ喜ばれ好かれ嫌われしていて、元気やヒントをくれるのは普段「役作り」とはある種無縁の人たち。
例えば前記したように私にタクシードライバーの役が来たとして、超名優デ・ニーロ様に相談したとしますよね
そしたら絶対言われると思います。
ありがとう、デ・ニーロさん。的確かつ簡潔な答えを。
タクシーという街に溶け込んだ仕事をすることで、ニューヨークの時間の流れの速さや人間模様、香りや音、五感を研ぎ澄ますのにはうってつけです。そしてその五感に何かのヒントをくれるのはいつも他者です。
そのデ・ニーロさんの「せやな」には
『どんなことでも経験しとき!そしてたくさんの人と話して感じてき!五感フルパワーに使ってな!』が含められてる。
つまり、俳優が俳優に聞いて勉強になるのはある種の『方法』のみであって、咀嚼して自分のものにするのはやはり自分であるということ。
そして何かの『方法』を試すにしても、その今現在の自分がどんな人間性であるかで方法の先の結果は変わってきてしまう。
私がタクシー会社で働くことが大事なのではなく、勤務中どんな雰囲気でどんなお客様を乗せて走って、渋滞のイライラや街の匂いを感じるのか?の感度のところですよね。
前置きは長くなりましたが、そういう意味では役作りは役をもらう前から少しずつ始めている、っていうのが正しい解釈かもしれません。
普段どんな風に感じてて、それをどんな風に普段出している(出てしまってる)のか。
タイトルにもある「人間造り」は、私がこれまで経験したアドバイスからの咀嚼により、普段の生活までこんな感じに豊かになった!そんなエピソードを交えてお伝えしていきます✨
さて、第1回のテーマがこちら。
■『痩せかデブか二つに一つ』
養成所時代にともかく最初に力を入れてやれ!と言われたのが身体づくりでした。
360度どこから見られても恥ずかしくない体系、というのが真意ではあるのだけどそれはちょっとだけ間違いです。
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