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人前での演奏・・1歩踏み出せない人へ
ピアノが1曲通して弾けるようになった生徒さんへ、
「発表会に出てみてはいかがでしょう」
と声をかけることがあります。
子供の頃に人前での演奏を経験している方は挑戦したい!と前向きな返答をいただくことが多いですが、大人になってピアノをスタートさせた方は「んー・・」と考えこんだり、「とんでもない」と謙遜される方が多いように感じます。
先に言いますが、考えすぎないで!大丈夫!なんて軽々しく言うつもりはありません。
いろんな事を考えてしまうし、ソロでの演奏を大勢に聞いてもらうなんてぱっとイメージしただけでもプレッシャーでうまくいく自信を持てないということ、とても理解できます。
それなのに人前での演奏を誘うのは、現在では想像できないほどの良い体験になる可能性の方が高いからです。
確かにみんながみんな思い通りの演奏ができるということはありません。
むしろ「あー失敗した!」「いつもならできるのに!」の体験ばかりです。
ではその後嫌になってピアノから離れるのかというと、そんなことはなく多くの方が上達すべく一生懸命さに磨きをかけています。不思議なことですが、私の体感90%の方がそんな感じです。
そして次回の機会にも積極的に参加されています。
・次への明確な目標設定ができた
・緊張感とスリルが非日常的で意外と良かった
・自分以外の人の演奏を聞いて刺激を受けた
このような感想が多いです。
そうは言っても目の前の演奏機会をどうメンタル的に乗り越えるか・・
テストやコンクール、演奏会・・数々の舞台で失敗を繰り返し七転八起きしてきた私の中でのメンタルルールは、
・理想的な100点満点の演奏を目指さない。今の自分はこんなもんです、ここまでは出来ましたのお披露目というだけです
・テクニック的な指の動きに意識を集中させない。心の中ではメロディーを歌ったり、綺麗な音で弾くことを目指す。日頃から脳内で熱唱しておきましょう
・誰も自分に期待しているわけではない。そして、失敗したとしても誰の記憶にも残らない。
・緊張している自分を受け入れて心のざわつき、手汗、震えなどあれば「想定内のこと」と思うようにする。足が震えようがドキンドキンしてもそのままを受け入れる。
・上手に弾こうとするよりも曲の素晴らしさを伝えたいという想いで弾く
こんなことを考えています。
どんなに場を踏んでも全く緊張しないということは無いと思います。
ただ慣れてくると、緊張が良い集中力を生むくらいの程よい緊張になっていきます。
失敗したって良いんです。新しい体験をすることに価値があります。
チャレンジすることを決めた自分というだけでもう凄いんです。
あとはなるようになります。
ぜひ思い切って人前での演奏をお勧めします!