「いなくなったきみへ」rinさん作品を読んで【創作大賞感想】
今回拝読させていただいたのは、こちらの作品になります。
ほんのりネタバレがあると思いますのでご了承下さい。
(ネタバレタグをつけておきます)
タイトルの『きみ』が誰で、どうして『いなくなった』のか。
いろんなパターンがあると思いますが、この作品はどんな物語なのでしょうか。楽しみに読んでいきます。
あらすじ感想
人捜し。痕跡を追う二人。不可解な事件と不思議な女性との巡り会い。ちょっとミステリー風味を感じますが、恋愛小説部門なので、恋愛のほうがメインなのかな?
最後二行がとても気になります。
第一話
なんか最初から不穏な感じがします。
余裕のない様子で愛の言葉を口にする「彼」と、それを冷静に見つめる「私」。
そして「私」は男の言葉を遮る。
どういうことなんでしょう。
「私」は「彼」をあんまり愛していないのかな。
時系列ではなさそう。
山岳男子が色白美肌ということにショックを受けてる(?)のが面白いですね。私はひきこもりがちでも日焼けするほうなので、アウトドア系の人が色白美肌なのはうらやましいです。
第二話
山岳部には部室がありません。
踊り場で活動しているようです。
私の大学では、申請したら空き教室を貸して貰えた気がします。
大所帯だったからかも。
そりゃ30人ほどの大人数、廊下や階段に溜まっていたら迷惑ですよね。
昴生の同期、山岳部の有坂さんも山男っぽさのない、垢抜けた大学生の様子。最近の子ってそんな感じなのでしょうか。
第三話
ハニーミルクラテ、美味しいですよね。
古河律子さんの特長を読んでいると、ちょっと戦慄します。
この人、地雷のような気がするなぁ~。
私のアホな過去の経験が、そう警鐘を鳴らしています。
どうなんだろ。本当に見た目通り可憐で清楚で純粋な子だったらごめんなさい。
第四話
どうやら主人公は動画を観て、古河律子さんに惹かれ始めたようですね。
これからどうなるのでしょう。
そして事件です。いや、事件自体はもっと早いうちに起きていたのでしょうけど、事件発覚の知らせです。
今までの話に全くつながらないような状況に戸惑う主人公と楓。
こんな遺書あるのかな。
人それぞれだけど……。
動揺していたから変なのかな。
違和感がすごいです。
鋸山って、千葉にあるんでしたっけ?
第五話
元彼による、「律子はやめときな。大怪我するよ」という言葉に、やっぱり? と思ったりしました。
第六話
「りっちゃん」が律子さんなのかな?
女子校時代の話のようです。
うわぁ、私の知ってる危険人物も、高校時代は「まっすぐな髪を綺麗に分けた二つ結び」だったわ……。なんということでしょう。
特別な名前っていいですよね。
自分だけがそう呼んでもいい、特権みたいな。
私もそういうところがあるなぁ。結構ほのかちゃんには親近感を覚えます。
「みんな私を好きなわけじゃなかったからかな」
この言葉は結構グッときます。
何だか、自分の過去と向き合ってしまうような気がするなぁ~。
それも読書の良さだと思うのですが。
「クラスが変わっても会いにいくからね!」の返事が「来なくていいよ~」なのは心えぐってきますね。
ほのかちゃん、よく耐えたね……。
それほど心酔した相手だったら、私には無理かもしれない。
子育ては、人それぞれだから外から何か言うのは難しいです。
このお母さんも、娘を大事にしたい気持ち、愛情がないわけじゃない。
少なくとも自分はそう思っているし、思い込みたい。
かなり頑張ってるようなのですが、あんまり心に余裕がなさそう。
なんかちょっと危うい感じがしますね。
あんまりいい子育てできなさそうで怖いなぁ。
私も今、自分の親が毒親だったという話をぼちぼち書いてる途中なので、特に気になるのかしら。
いつか自分の子育ての話も書きたいです。エッセイとかで。
第七話
う、うわぁ……え、何これ、マニュアルでもあるの?
「頂き女子マニュアル」みたいな、「魔性の女マニュアル」とか!?
これそのまんまの女を知ってる!
私もずいぶん酷い目に遭った。
律子さん怖!
第八話
あ~、うん。
すごい、本当に。
rinさん、20世紀に札幌の大学に通ってた? もしかして私たち知り合い? って思うくらい。
そう、女の子にもキスして押し倒したりするんだよなぁ(私にではない)。
だからといってバイセクシャルでもないの。
誰でもいいというのも違うのだけど……。
愛が欲しくて、愛が憎くて、って感じ。
なんかもう、自分でもどうしたらいいかわからないんだと思う。
私もそのへん壊れているから、そういうことなんだろうな~とは感じます。
正直なところ、今まで出会ったどんな精神病患者さんより、健常者のあの子が一番病んでいたと思う。
第九話
ああ、お母さんバッチリ毒親化しましたね。
娘のため、とか言って完全に自分都合ですよ。
最悪だ。娘の心を殺しにかかってます。
こんな執拗に自信も夢も砕いておいて、「もっとちゃんとしなさい」とか、本当にもう、子供を何だと思ってるの……。
人間なんだよ。泣きたくなるわ。
すみません、本当に感想しか書けなくなってる。
もうちょっと描写とかに気を回した感想を~と思うんですが、私にとってはストーリーがかなりのリアリティーで、動揺してます。
創作でここまで書けるなんて、rinさんは天才だと思います。
第十話
やっぱり、ちゃんとした遺書はあったんですね。
「私だって、ちゃんと愛されたかった!」
かぁ……。うん、そうですよね。そうなんだよね。
もうどうしようもないんだけど、今からでも救いはあるのかな。
最終話
「自分だけが〝本当の古河律子〟を知ってる。〝特別だ〟って思っちゃうんだよね」
って、本当にそう思わせてくるのですよ。
「私にだけ本当のことを話してくれる、あの子は私にしか言えないんだ」って思ってましたもん。
「いなくなったきみへ。」からのラストについては、私も同じ気持ちです。
もう二度と会いたくはないんですが、そう思わずにいられない。
そう思わせる魅力が、彼女たちにはやっぱりあるんでしょうね。
まとめ
とにかく、リアル過ぎてびっくりしました。
古河律子と、律子ママのせいで、私の情緒が乱れてます。ははは。
面白かった~~~~!
読みやすいし、きれいな文章だと思います。
情景描写は少なめですが、心理描写がしっかり書かれているので、感情移入しやすいです。というか、しすぎました。
こんなところで、ちょっと恥ずかしい。
貶してるように誤解されるのは嫌なので、普段あんまりアドバイスとかしないようにしているのですが、とても好きなお話だったし、何かの参考になればということで、感じたことをひとつだけ。
「いつの話」か、「今、誰が語り手なのか」が、場面転換ごとに提示されると嬉しいです。
時系列ではない進行と頻繁な視点の変更は、謎解きみたいで面白いのですが、たくさんキャラが出てくると名前とか覚えられないんですよ……。すみません。
もちろんこのままでも伝わるし面白かったのですが、ちょっとおすすめしてみます。
不快でしたらこのへんの記述はスルーして下さいね。
あえて素性を出さないシーンとかもあるような気がしてますし。
素敵なお話をありがとうございました!
これからも応援しています✨
※見出し画像は、最後の一文と同じ願いを込めて選びました。
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