「I LOVE U」宝花遥花さん作品を読んで【創作大賞感想】
今回拝読させていただいたのは、こちらの作品になります。
漫画原作部門の作品を読むのは初めて! 楽しみです。
『I LOVE U』というシンプルなタイトル。
シンプルがゆえに想像も広がります。
あらすじ感想
おっ……、なかなかサスペンスを示唆するあらすじ。
カバー画像がかわいいので、もっとふわふわした感じを想像していました。
先入観すみません。
父殺し、仇討ち、殺人犯、裏社会、テロ組織、死を望む女性、恐ろしい計画、隠された秘密……。
不穏なキーワードがこれでもかと続出して、とっても面白そう!
(こういう話大好きです)
本文感想
オレンジ色の液体を完成させた「男」。
それは「あの悪魔」を地獄に突き落とすための行い、たぶん研究だった。
「男」「あの悪魔」とは誰なのか、謎を心に留めて先に進みます。
お姉ちゃんのことが大好きな、まだ甘えん坊の悠。
それを見守るお姉ちゃんの恋人、秋兎との穏やかな時間。
焼きうどん食べたい……。おいしそう。
うどん……うどん……焼きうどん……。
「じゃじゃーん!!!」「これが俺の実力よ!」「やればできる男」という描写で、相当美味しいんだろうな~と想像しちゃう。
とにかく私は食べ物の描写に弱いということを、今回の感想文募集の企画で自覚しました。
そういえば私、X(Twitter)に何か書こうとすると、まず「おなかすいた」か「ねむい」が出てくる……赤ちゃんかな?
ハードな話と明るいほっこりエピソードの組み合わせは、落差というか温度差で風邪引くというやつで、基本でありながら効果的な技法ですよね!
ほっこりしていながらも、ここから何かしらの衝撃が来るんだろうな~、という予感も覚えつつ……。
悠の挨拶でウエイトレス達(複数)がハートを撃ち抜かれたってことは、相当可愛い容姿なんでしょう……。成長してからも可愛い顔立ちのようだし、これは漫画になったところ見たいですね!
仲良しな姉弟。
自分が悠を愛していること、亡くなったお母さんも悠のことをずっと愛しているということを、何度も言い聞かせる。
子供の頃にそういう愛情を伝えることは大切だと思うので、それができている愛華は立派だなと思いました。
ちょっと怪しくなってきたパパ(悠馬)。
秘密の小屋への道、「誰にも道を覚えさせない」というパパと、「2人だけの秘密」という悠。小さな息子は、これが変だってことに気付かない。
シュガースティックに追加角砂糖二つはさすがに甘過ぎだろ~と微笑ましく思いました。甘えん坊な子供らしさを感じます。
お母さんのお花を変えるあたりで、パパがおかしくなります。
愛華はパパが変だということを薄々察してるっぽい?
だから過剰なくらい悠を大事にしているのかな?
違うかも。
愛華の部屋には、弟の絵や写真をたくさん飾ってあるという、ちょっと驚くくらいの溺愛っぷり。
これは秋兎が嫉妬もせず二人を大事にしていることが奇跡というか、秋兎ってすごくできた人なんだなって印象。
パパより父性がありそう。
彼氏にするならこの人だと思います。おすすめ!(でも彼女持ち)
そして悲劇が起きました。
パパの言ってる「正しいこと」「救済」がろくでもない思想だってことはなんとなく予想つきます。
なんだか言ってることが変だし、気持ちの悪い男ですね、パパ。
それから15年。
20歳で中学生に見えるということは、相当な童顔なんですね~。
黒髪のアイドルっぽい可愛い顔……。
私の推しも黒髪で可愛い顔のアイドルなのですが、身長はもうちょっとあるから違う人だろう多分……。
漫画原作ということなので、なんとなくネーム切ってるようなイメージで読んでます。
あまあまのミルク飲んでた可愛い男の子が、成長してビターになっちゃうのは切ないなぁ……。苦いなぁ。
5歳にしては精神的に幼い感じの、ずいぶん甘やかされて育ってんだね坊ちゃん……って感じだった、可愛い悠が~。
彼にとってはそのくらい大きな出来事だったんだな、というのがわかります。人生が一変したでしょうし。
でも寂しいですね。その寂しさがいいんですけど。
「無我夢中で食事を口に放り込み、ビールで流し込む」
良すぎる……。私も混ぜて。串カツ食べたい。天ぷらでもいい。
漫画的な場面が時々入ってますね。
胸に顔が埋まるとか、良いサービスカット。
娘に糖分100%を目指している発言が面白い。
でもKさん、ただ甘やかすだけではなさそうです。ちゃんとしてそう。
潜入シーンがどきどきして良かった!
悠はあんまり潜入向いてないですね。
はらはらしたまま進行するので、物語的にはぴったりですけど。
ベルーガさん、慕われているし、部下のことを家族と考えてよく見てるから、きっといい上司なんだろうなぁ。たぶん。
悠馬にとっての「悪魔」と、悠にとっての「悪魔」
愛華にとっての「悪魔」(なのだろうか?)
家族なのにね、そこが一番切ないです。
途中から没入しすぎていつのまにか読み終わっていましたが、真剣に読める作品でした!
素敵なお話をありがとうございました!
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