気が利く、ではなく……
こんにちは。きっかけアクセサリー作家の、音海奏乃です。
今日は金曜日、音海奏乃が思ったことや考えたことなどをつづっていく、かなのわーずの日ですね。
さて、みなさんは気が利く、とか気が利かない、という言葉を聞いたことがあるでしょうか。家庭でも、職場でも、学校でも、耳にすることがあると思いますが、ではいったい、気が利く・利かないって、なんでしょう?
そんな、お話です。
辞書の意味ではそうだけど
気が利く、気が利かない、というのは、辞書で引くと大体こんな意味合いで書かれています
気が利く:細かなところまで気配りができる、機転が利く
気が利かない:細かいところに気配りができない
単純にこの意味だけで見れば、"気が利く人のほうが重宝される"とか"気が利く人のほうが有利だ"なんて考えや"気が利かない人はダメなのか"という考えになるのも納得です。書店やネット検索にそういう内容があふれているということは、みなさんそれだけ、気が利くかどうか、ということに重点を置いているのでしょう。
しかし、反対の意味を持つ2つの言葉が並んだとき、起こりやすいのが優劣をつけることです。気が利くかどうかで言うなら、"気が利く人がいい人"で、"気が利くことができる人間"というようなとらえ方をして、気が利かない人はだめだ、悪い、というようなとらえ方をする人が多いでしょう。どちらかが良ければ、良いほうを重視して、ダメなほうはだめだ、いいほうに変われと促したり、時には強要したり……。
果たして、気が利く人が優秀で、気が利かない人はダメ、という2つの選択肢で語れることなのでしょうか?
気が利くはずなのに
ある工場に、気が利くことで褒められてきたAさんがいました。Aさんは、上司であるBさんの組み立て作業をサポートすることになりました。Aさんは、組み立てに使う順番に道具が並んでいたほうが、スムーズに取り組んでもらえるだろうと、作業の順番に合わせて、箱の中にある工具や部品を並べ替えました。
ここまでの文章で、Aさんは気が利く人だな、と思った人がどれくらいいるでしょうか。ちょっと例がわかりにくいかもしれませんが、このお話にはこんな続きがあります。
Aさんは準備を終えたので、Bさんを呼びに行きました。作業場について早速、Bさんが大きなため息をつきます。「私には私の、使いやすい順番があったのに、何で余計なことをしたんだ」
こんな場面に遭遇したこと、ありませんか? 良かれと思ってやったのに、と言われるようなシーンです。自分では、一生懸命、上司がやりやすいようにと気を利かせたつもりが、意図しない結果になったのです。もちろん、この例の場合では、その上司の機嫌や信頼関係もあったかもしれません。そこを考慮したとしても、日常ではそんなやり取りが頻繁に起こります。
今まで、私もそんなシーンを幾度も見てきましたし、体験もしてきました。Aさんが考えすぎなのでは、とか、自分のやり方と上司のやり方を確認不足だった、という意見はいったん忘れて、単純になぜ、このようなずれが起こるのか、考えたのです。
気が利くじゃなくて、都合がいい
先ほどのお話で行けば、上司のBさんは、Aさんの用意してくれたやり方では、やりにくいと思い、余計なことをしてくれた、と思いましたよね。
Bさんは、どうせ気を配ってくれるなら、作業する自分にとって都合がいいやり方でやってほしかったのです。もし、彼の都合に合わせた状態で工具が並んだいたら「お、Aさんは気が利くね」となるのです。これは、Cさん、Dさんと人が代わっても同じです。その人にとって動きやすい、つまり、都合のいい状態こそ「気が利く」ということなのです。
だから、誰より早く「あ、今あの人は飲み物を飲みたそうにしている」と気が付いたところで、その人が思い浮かべていたものでなければ気持ちにズレが生じ、「あいつは気が利かない」となります。だから、気が利く人、つまり、相手の都合をよくできる人になるには、観察力がものすごく必要なのです。
(あ、都合のいい人というと恋愛関係のことを思う方もいるかもしれませんが、そこについては触れません。もし、気になる方がいれば当てはまるかどうか、考えてみても面白いかもしれませんね。これはあくまで、音海奏乃の考え、ですから……)
アンテナと虫眼鏡
もし、気が利く人、相手を都合よくできる人になりたいと思うのなら、2つのアイテムをお勧めしますね。それが、アンテナと虫眼鏡です。どうやって使うのか、以下でご説明しましょう。
まず、アンテナですが、これは想像通り、張り巡らせてください。東西南北、上下左右、ありとあらゆる方向に、もれがないように。アンテナを張ったその瞬間から、あなたはその範囲の情報をできる限り意識して、拾いましょう。ちなみにこのアンテナは受信専用なので悪しからず。大きなことから小さなものまで、自分が特に関係ないとか必要ないと思っても、一応受信しておきます。(悪口など、あまりにもマイナスなことは受け取らないように気を付けて。受け取っても、その場で破棄すること!)
それから、受信した情報を、大分類、中分類、小分類に分けます。職場の全体情報、部門の情報、個人個人の情報、といった具合です。ポイントはうまく分けようとしないことです。分けることに集中しすぎて、せっかく受け取った情報を無くしてしまっては意味がないですからね。そうして集めた情報は、いつかどこかで必要な場面に出会い、使う日が来るでしょう。
次に、虫眼鏡です。これは、アンテナで受信した情報をさらに細分化するために使います。受け取った情報を、分類ごとに分けた後、例えば、会社では売り上げが良いと言っていた、それは企画部の○○さんが活躍したからと聞いた。○○さんって、どんな人だ? という場合。虫眼鏡を使って、その人を観察します。もちろん、その人に不快な思いをさせたり、日常生活の支障にならない範囲で、です。探偵や刑事ではないので、深入りしないようにしてくださいね。人だけでなく、場所でも時でも構いません。知りたいことの情報を、じっくりと深く観察し、より細かい情報を収集しましょう。
え、そんなことするの、やだ、変な人じゃん。そう思う方もいるかもしれませんが、気が利く人、というのは周囲を見ている人です。前しか見ていない人は、横や後ろで困っている人に気が付きません。歩きながらスマホを使っていると、信号や踏切に気づけずに事故につながるのとも同じです。周りを見ていなければ、気づくことはできない。そのためには、意識して、注意深く、周りを見るよりほか、ありません。
気が利きすぎることも、自分の心身に負担となってしまうので、ほどほどにしましょう。あなたがそうすることで効率が上がり、職場の雰囲気が改善されるならいいのですが、たいていの場合そうではありません。何よりもあなたの人生、あなたが主役ですので、合わせすぎてつらい思いをしないように、お気を付けくださいね。
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ここまで、気が利くかどうかについて、音海奏乃なりの考えを書いてみましたが、いかがだったでしょう。考え方は人それぞれ、受け止め方も人それぞれです。そんな意見もあったな、ということを、ときどき思い出してもらえれば、幸いです。
きっかけアクセサリー作家の、音海奏乃でした。
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