【映画感想】大切な人との、あたたかい食卓
ドラマ化&映画化され、今巷でブームを起こしている”きのう何食べた?”。
お恥ずかしながら原作はまだ少ししか読んでいないのですが、ドラマ版が大好きで、もう何度もリピして各話15回くらい見ています(笑)
シロさんやケンジをはじめとする魅力的な登場人物はもちろん、ほっこり&ちょっぴりせつないストーリーに癒される日々。
「今日ちょっとご飯作るのだるいな…」
と思ったときにあのドラマを見ると、自然と料理欲がムクムク湧いてくるから不思議です。
もはや何食べ無くして生きていけない身体になってしまった……。
今、上映中の映画は、仕事の繁忙期が一段落してから取っておきのご褒美に行こう…!と思っていました。
先日念願かなって、やっと見てきましたよ〜!
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詳しい内容はネタバレになってしまうので、ここでは割愛しますが、本当に良かった…!(滝涙)の一言に尽きます。
まず、家で繰り返し見てきたドラマの世界観を、映画館の大画面のスクリーンで見られることに感無量。
登場する料理もすべて美味しそうで、途中リアルにお腹鳴っていました(笑)
やはり劇場版でも、幸せなエピソードだけではなく所々陰りが見えるシーンもあるのですが、登場人物たちの気持ちの微細な揺れ動きがとても丁寧に表現されていて、引き込まれるものがありました。
一方で、ここはアドリブかな?と思える箇所もあったり。
内野聖陽さんのアドリブ仕掛けが巧妙で、それを西島秀俊さんが落とすことなく瞬時に打ち返しているのが見事でした(笑)
所々に役者さんの素が垣間見えるのもまた良し!ですね。
良い意味で作り込まれていなくて、観客としても構えることなくリラックスして鑑賞することができました。
シロさんもケンジも40代。
映画ではドラマよりもさらに一歩踏み込んだ内容で、自分たちの身体の変化や親との関係性といった問題に直面します。
そうした場面で、時には腹を割って互いに向き合ったり、あるいは言葉は無くとも料理にメッセージを込めて気持ちを伝えたり。
同性愛者同士の恋人であるとか、そういうのを超えて、どこまでも誠実に相手のことを思っている2人の関係性が素敵でした。
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個人的な話ですが、30歳が目前になってきたせいか、最近、"老いが怖い症候群"なるものに陥っておりまして。
見た目が気付かぬうちに変わっていく恐怖も年々ありますが(!)、年を重ねれば重ねるほど楽しいことがどんどん減っていくのでは……と、根拠もなく不安になってしまうことがあって。
でも、映画を見て、シロさんやケンジみたいに、日々の中にささやかな幸せを見い出していて、かつ、年を重ねる自分のことも相手のこともまるっとそのまま受け入れる、そんな懐が深い大人って、めちゃくちゃかっこ良いな……!!と思いました。
おかずは塩分ひかえめで、毎日なるべく多くの品数を作って、大切な人といつまでも健康なまま、ずっと一緒に過ごそう。
文字にすると平凡だけれど、とても胸を打つ願いだと思いました。
そういう日々は、無限に続くわけじゃないから。
老いは誰にでも平等に訪れるもの。
だったらその過程も恐れずに、自分や傍にいてくれる人達を最大限に大切にしながら、明るい気持ちで過ごしていきたい。
そのほうが、結果的にかっこ良い大人になれる気がしてきましたよ!💪
そんな部分についても、見る人を前向きにさせてくれるストーリーでした。
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シロさん&ケンジを中心に書いてきたけれど、小日向さんとジルベール航くん、佳代子さんに中村屋のお姉さんなど、脇を固める名キャラたちも大好きです。
実写版とは設定など色々違うと思いますが、今後原作の方も読んでいきたいな……!
作中のレシピも、自分で真似して作ってみたくなるものばかりです。
ほっこり優しい気持ちになれること間違いなしの作品なので、まだ見ていない方はぜひ✿