求メテイルモノ×求メラレルモノ
冨樫先生の復活もあり、タイトルをHUNTER×HUNTERっぽくした。
今回は、ビジネスの話。特に配信者や立ち上げ期の会社を運営している方々には頭の隅に置いておいてもらいたい話です。
知名度は、継続性を損なう毒薬にもなりうる。
本テーマは、必ずビジネスをやろうとする人が抱えるジレンマであって、ファンビジネス永遠のテーマだと僕は考えており
そして、このジレンマとうまく向き合えなければ人生単位で狂ってくるような問題であると、例をいくつか知っているこそ僕はそう確信している。
決して大袈裟でないのも最後まで読めば納得して頂けるはずです。
顧客から求められるもの、自分達がやりたいこと、そのギャップから生じる様々な問題をあなたはご存知でしょうか?
今回の話を一言でまとめれば、行きは良い良い帰りは怖い。
情報発信をしていくと、図らずともコンテンツが伸びる時があります。伸びたっていう感覚は承認欲求から生じる本当に強い中毒性があって、その後は「これがウケるのか」と伸びたコンテンツに近い系統のものをまた投稿したくなるものなのです。
承認欲求が本当に満たされて、数字しか見えなくなりがちなんですよね。これ本当に配信者あるあるなんです。まだピンとこない人もこれから訪れうる状況です。
僕は、大学受験の情報発信を行なっているので、その畑でよくある例を紹介します。
若いとビジネスというよりかはお金が欲しいから、人気者になりたいから、という理由で配信を始める方が結構多いのです。
各業界で伸びやすいテーマってありますよね。受験を経験して配信を行う人は、『たった2ヶ月偏差値を30上げる方法』みたいな方法論をTikTokやらでよくやっています。
それで伸びたとしましょう。それで伸びたら「この傾向のテーマがウケるんだ」と思い、その傾向のものを出し続けると、一定のファンがつき、ファンはそれを求めます。
けれど、遅かれ早かれこんなことを思う時がきます。
「違うことをやって人気や視聴数を獲得してお金が欲しい」
そして、その想いが行動に移り、全く違うテーマの動画を出すと再生数は伸びた動画と比べて半分以下みたいな結果に直面します。
ファンがあなたに求められているのは、今までのあなたのコンテンツであって、あなた自身ではなかった、という現実に直面するのです。
実際に数字を目にするとその現実は無視できず、視聴数を稼がないとやばいという気持ちになって、元いたテーマのポジションに戻るのですが、またしばらく続けていると「他のことをやりたい」というジレンマに襲われることになります。
最初は稼げていたテーマも時間が経てばよりフレッシュな参入者が出てきて、知らず知らず関心が奪われて自分が衰退していることは当たり前にあることです。
皮肉な話ではありますが、自分が衰退してきたのであれば改善すればよいという考えになる人が多く、向上心の高い方ほど努力次第という考えになり、向かう先はどう足掻いても勝てない死路であることを認めることが難しいのです。
もしあなたがYouTubeを3年続けていたら、それまでの登録者数などを捨てて0から新しいことをできるでしょうか?すぐに「できる」と言える人は少ないと思います。
この先続けても伸びないと薄々分かっているけど、せっかくやってきたことは簡単には捨てられないものですよね。新しいことをやりたい、でも、やめるのも勿体無い。というループから抜け出せず。。。
僕も色々綴っているうちに、やっぱり有名になるプロセスってすっごい大事だなって理解が深まってきました。有名になればいい訳ではなくて、その先を見据えているかどうかが継続性の鍵となります。
・長期的にそれを続けることができるか
・なんのためにそれをやっているのか
特に長期的にそれを続けることができるか、という視点はやる前から考えておかなければいけません。「なんのために」に関しては、理念は後から追いついてくるケースもあるし、理念は変わるケースもあるので始める前になくても構わないとは思います。
それでも、行動する前に、一歩俯瞰して全体を眺める力がなければどうしようもない、と感じたところで今回は終わろうと思います。
P.S.
エッセイこそ消費者心理を学ぶ最高の教材だと思っています。
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【自己紹介】金井幸平 ーかないこうへいー
・早稲田大学商学部卒業
・PASSLABO(YouTubeチャンネル)登録者30万人以上
・バンタンクリエイターアカデミー(KADOKAWA)マーケティング講師
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