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詩のこと

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詩について書いたことを随時、発信します。
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記事一覧

ドラマは舞台の始まる前に、あるいは舞台の背後で起こっているのであった。

舞台の上部約4分の1を瀝青(アスファルト)で舗装されたような空が横断し、その上に不揃いな星…

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劇場へは狭く急な階段を地下へ降りた

これは20代前半に書いた文書。もっと長く書き継ぎたいと思いながら、できずに、尻切れトンボで…

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文字の翳、声の甦り

朗読ではもちろん黙読する際にも、文字を読むとき、私たちは意識的・無意識的に文字を音声に変…

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抹消(闕如を駆使して希薄にも過剰に)

『欄干』の前身で、今からちょうど40年前、24歳の頃の原稿。ジャック・デリダの『エクリチュー…

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断章群『欄干』の投稿

1987年『現代詩手帖』3月号 20歳の頃に美術評論家・宮川淳との邂逅を得て、私は「欄干」とい…

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すべては宮川淳から……

▼本の存在理由はそこに閉じ込められた意味の亡霊にではなく、本の空間にあるべきではないだろ…

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ベンヤミンは......

ベンヤミンは『一方通行路』の中の短文「階段に御注意!」でこう書いています。「優れた散文が生まれる作業過程は、三つの段階を踏む。構想される音楽的段階、組み立てられる建築学的段階、最後に、織り上げられる紡績工業的段階、である」と。 ベンヤミンの「優れた散文が」という前置きを「優れた詩が」とかえれば、逆の段階を踏むことも可能でしょうか? まずは糸を紡ぎ-織る紡績工業的段階(日々こつこつと糸紡ぎ-機織り)、次はそれを組み立てる建築学的な段階(織った布を裁断し-構成し-縫製し)、さら