子どもたちのオンボーディング~その後のその後~|暮らしからHR
4歳の頃の子どもから教わったとオンボーディングの極意。
5歳になった最近も新たに、気づきをもらったので忘れる前に残しておこうと思う。
クラスで流行りの遊び
この4月から5歳は年長になった。
縦割りのクラスには新しい3歳児がたくさん入ってきた。
最近、クラスではお相撲が流行っているらしい。
夫が迎えに行くと担任の先生が
「5歳くんはクラスで1,2位を争うくらいのパワーがあります」
と言われたそう。
早生まれなので身体も大きくなし、あまり力を上手には使えていなそうだけれど、力はあるらしい。
家に帰っても、強い友達に勝てるようにと、父を相手に自主練を繰り返している。
本当にお相撲が楽しく、強い相手に勝ちたいようだ。
ある時、わたしは別の先生からこう声をかけられた。
「お相撲で年少さんが相手だと5歳くんが勝たせてくれるんです。
だから年少さんがみんな5歳くんとやりたがってました。」
わたしはこれを聞いてびっくり。
わたしは5歳とゲームなどをするときにわざと負けたりはしないのだ。
小さな子に“勝ち”をゆずるその理由は?
「年少さんたち、みんな5歳とお相撲やりたいんだって?
どうして年少さんに勝たせてあげるの?」
「かつとたのしいから。
みんなにおすもうをすきになってほしいから。」
5歳は5歳なりに、最初のたのしいという経験が「好き」につながることを知っているんだ。
たぶん、早生まれの自分が同級生にたくさん負けた経験があるから、負けると分かっている相手に挑む悔しさも、勝ったときのうれしさも、知っているに違いない。
見てるだけじゃなく、参加させてあげたい。
負けて嫌いになってしまうのではなく、成功体験を得て楽しいと思ってほしい。
誰に教わるでもなくそれを知っている。
あんなに強くなりたくて自主練しているお相撲であっさり負けてあげるほど。
新人教育を思い出した
これは仕事を覚えるときと同じだ。
営業の先輩が商談に同席してくれて、本当は先輩のおかげで取れた数字を自分につけてくれるあれ。
なにも教えられていない状態で現場に放り込まれ、失敗したり、誰かに怒られたり、ずっと結果が出なかったりするとその仕事が楽しくなくなってしまうことがある。
そうではなく、お相撲を楽しいと感じて長く一緒に遊びたい。
「いちど負けたからって逃げるなんて根性ないな」というのはその仕事やゲームが好きな人、自分で続けることを決め続けた人の主張だ。
チームで何かをしようというときは必ずしも本心から参加した人だけではないだろう。
そんな仲間がずっといっしょに楽しみ続けるためには、一方的にその仕事やゲームの魅力を語ったり、根性論を押し付けるのではない、適切なオンボーディングが必要なのだとあらためて気づかされた。