令和5年10月09日ポスト記録「型にはめる授業の功罪」
TLに、型にはまった授業形態への疑問が書かれていました。
現役離れて久しいですが、自分自身は型にはまる授業を目指していました。
毎回授業の形が異なると、子供達にとっては新鮮かもしれませんが、思考上の混乱が生じ、学習内容の定着が困難になると考えるからです。
以下はポストの内容です。
今更授業のことだが、 自分は結構パターン化した授業を行っていた。
理数系の授業なら形が作りやすいが、国語でも同じようなパターン化を行うよう目指していた。
そのうち子供達からも 「先生の授業はワンパターンだね」 と言われるようになり 嬉しかったことを思い出す。
これは授業を通した思考法の定着を意味するからである。
理数系だと(書くのがつまらないので)ここでは私流国語の授業の”型”を述べてみたい。
【国語の物語文の授業の場合】
①全体を読む(させるでも可)
②全体の感想を簡単に表現する(初発の感想:大雑把)
③なぜそう思うのか分析する目的を持ち場面分けをする
※場面分けとは時空の転換の場を区切る作業であり、演劇で説明すると分かりやすい。簡単に言えば、舞台のセットを変えるような場である。
④分けたいくつかの場面についてそれぞれの感想を表現する
⑤場面の中の表現の中で受けた感想の証拠の表現を探す
※例えば自分が寂しいと感じた場面があったら、「ここにこう書いてあるから寂しい」と思ったのだということに気づかせる。
⑥場面分けした場所の分析をそれぞれ行う
⑦全体感想(初発の感想)の再確認と個々場面の分析からの根拠をもとに、総括としての全体を説明する
弁証法的に言えば 正(最初の感想)ー反(検証)ー合(最後の感想)というのが授業の型となる。
説明文も基本は同じ。
①全体を読み通し、どんなことが書かれていたかを表現する(予想:大雑把で良い)
※予想であるから最終的に当たっていてもいいし、的はずれであってもいい。
②論の構成に着目し、項立てに気づき、序論-本論-結論に区分する
・形式段落(段落が落ちているところ)
・意味段落(いくつかの形式段落で共通している所)
※上に着目させ区分させる。慣れれば段落分けはいらなくなる。「序論-本論-結論に分けて」で済む。
③形式段落(要点)
④意味段落(要約)
⑤全体(要旨)をまとめ表現
⑥最初の読解と分析後の理解(要旨)の比較検討を行う。
まあこんな感じ。
【長所】
・テストをすれば点数は高くなりやすい。
【短所】
・小分けした分析を合算したものが本質になるのか?
パーツ(分析結果)をつなぎ合わせたフランケンシュタインは人間か?という問いは感じる。
※経済学も数式化で権威付けを行っているが、一部に注目し数式化したものを合わせて、それが全体の実体経済を表現したものであるかは疑問しか感じない。それと通底する感覚である。
私は後からは 物語文に関してはとにかく何度も読ませる授業(音読)に変えている。
教科書には添付資料として範唱テープ(CD)があるので、それに合わせて1時間に数回繰り返し音読させる授業を展開した。
子供は読むことが好きであり、範唱(教師でも可だが、私はプロに頼った)があると苦手な子も読むことができる。
分析的な取り組みとしては、教師が質問と説明をするような授業にした。
これでもちゃんと点数は取れる。
どちらがいいかは分からないが、適当に組み合わせながらやるのが教育技術(笑)
たかが小学校の授業であっても型はある。
民間人が俺でもできるというようなものでもない。
当然ながら究極の目的は 分析を通して自分で授業の成果を生かした表現ができることにある。
自分で文章を書くと分かると思うが、何度も自分の文章を読み直し校正して高めていく。この過程は授業における教材(資料)分析と過程としては同じである。
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