国家財政を考えてみよう その10 「国の借金1100兆円超、国民1人当たり871万円」の嘘②
前稿では、日本国は借金まみれというのは真っ赤な嘘、日本は世界一の金貸し大国であることを確認しました。
とは言え、国債の残高が1100兆円あること自体は、これは事実です。
これはいったいどういうことなのでしょうか?
下記リンク1ページ「(図表1)部門別の金融資産・負債残高」が日本のマクロ経済の概況を理解するのに分かりやすい資料だと思います。
2019年第3四半期の資金循環
(速報) 2019年12月20日
日本銀行調査統計局
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf
これを見てわかるのは、
1.日本は国外からお金は借りていない(借り越していない)。逆に貸し越している。
2.国債(=図表左列、国内非金融部門、負債(資金調達)、一般政府の中の証券)の原資(買い手)は、国内民間金融機関と中央銀行(日銀)。
3.国内金融機関の資金調達先は、国内非金融部門の資産、つまり家計と民間非金融企業の貯金。
つまり国債(=政府の負債)は民間(家計と企業)が金融機関に預けたお金で買われている。それはすなわち、政府にお金を貸しているのは日本国民である、ということです。
また、これはつまり、しばしば政治家やマスコミや(えせ)識者が言う、民間資産の有効活用そのものです。民間の資産を有効に使うための新たな資産課税など不要なのです。資産課税は返ってこないのでそんなことしようとしたら金持ちは節税を考えて抵抗したり景気が悪化したりするでしょうけれど、国債なら返ってくるのですから抵抗はないし景気にも影響ないでしょう。しかも今はゼロ(マイナス)金利ですから、国債発行コストはゼロです。(事務費はかかるけど)
ゆえに、
✖=「国の借金1100兆円超、国民1人当たり871万円」
〇=「政府の借金1100円超、国民一人当たり871万円の資産(貯金)」
マスコミで言われていることと正反対です。でもこれが真実です。国債は国民の借金ではなく、国債は国民の資産(貯金)なのです。