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日記ZINEあたふた製作日誌 ー 最終回! 最初に作ったZINE
※この連載は、11/11開催の文学フリマ東京37で発売するZINEの製作過程をざっくばらんに書いた日誌です。どうぞゆるい気持ちでお読みください。前回の記事はこちら※
もう20年近く前のこと。
好きが高じて、高校生の頃から大好きだったアーティストのライブスタッフとして、受付周りのお手伝いをしていました。
仕事の希望休をとって、夕方から下北沢のライブハウスへ行ってリハを聴きながら準備をしたり。まあ全然わたし自身は大したことはしてないのですが、そんな縁もあって、そのアーティストにまつわるZINEを作らせていただきました。
いわゆるファンジンってやつですね。
当時はヴィレッジヴァンガードや雑貨屋さんに行くと、個人が作ったフリーペーパーなんかがたくさん置いてあって。そういったものに強い憧れを持っていました。A4の紙にびっしり書かれたオザケンのファンジンとかおもしろかったなぁ。
とはいえ、当時パソコンは使っていたものの、デザインソフトの存在も知らない。あるのは「作りたい!」という欲だけ……!
ということで、A4用紙を1枚使ったミニブック形式のZINEを作り、そのアーティストのライブの入場者特典として配布しました。
ほんとに手作りもいいところで、もちろん全部手書きだし、コピーだったか印刷したものを最終的にアーティスト本人とスタッフみんなで1枚1枚折って本の形に仕立てたのを覚えています。わたしが一番折るの下手だったな……!
今思えば自分でやれよって話なのですが、ぜんぶが文化祭みたいで楽しかったんです。
当時から、なにかものをつくりたい欲はあるけれど、形にする方法がわからなかったんですよね。それでも手を挙げるっていう。挙げてから困るのはいつものことなんですけど。
でもあれ、本当にやってよかった。その後、デザインソフトの使い方をほんのり覚えたわたしは今度は冊子づくりにも挑戦したのですが、あの時に「やりたいです!」って言い出してよかったと思います。
きっとその時に、作る楽しみを実感できたのかなと。たとえスキルなんてなくても、(いや、あった方がいいに越したことはないんですけど)最後まで形にしようとすればおのずと完成するんです。
それからしばらくはZINEを作る気力も機会もなく、いろいろな人生を経て(すごい省略の仕方!)、かもめと街として初めて下町のガイドブックをコンセプトとしてZINEを製作したのが2020年のこと。
ひょんなことから2022年より日記本の製作を始め、写真集やエッセイ集なども作り……
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今度の文フリで発表する新作で、かもめと街のZINEはなんと8作目……!
いつの間にそんなに作ってたの自分!!(無意識)
「2作品同時発売」が好きすぎて、この2年間発表のタイミングのたびに自分の首をやたらと絞めていました。ハードだった!!!
作るたびに試行錯誤を繰り返し、今でもなにが正解かなんて分かりませんが、作りたい欲には正直になって進むのがただ一つの正解なのかな、なんて思っています。
今回は、日記本1冊に絞って製作しました。
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これで日記シリーズは一旦最後にしようと思っています。ちょうど、自分らしい区切りがつけられたのではないかと。新しいこと、いろいろやりたくなってきたので!
今回のZINEについては、日記なのでどこから読んでも全然大丈夫!まずは新刊から見ていただくのもとても嬉しいです。既刊の街歩きエッセイ集や日記本も持っていきます。
今年、直接販売できる機会は最後になりそう。
よかったら今週の土曜日、11月11日(土)の文学フリマ東京へ遊びにいらしてください。ひとりでテンパってると思うので優しくしていただけるとうれしいです。
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文学フリマ公式webカタログ:https://c.bunfree.net/c/tokyo37/h1/D/4
※現金のみの対応のため、1000円札や100円玉をご用意いただけると大変ありがたいです…!
※当日の情報はかもめと街のSNSでお知らせします。
※イベント終了後、オンラインでの販売も予定しています
【試し読み公開】日記シリーズ最新刊!
— かもめと街 チヒロ @11/11文学フリマ東京D-04 (@kamometomachi) November 5, 2023
『振り返らずに、船はゆく』
右往左往するのが人生。
そう、認められたらいいのに。
生活の違和感と正面から向き合い、誰かの理想の暮らしをインストールするでもなく思考と実験を続ける日々を書き留める。
かもめと街/ D-04(第一展示場)
#文学フリマ東京 pic.twitter.com/z0I4ehXPGU