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PERFECT DAYS(約650文字)

アマプラで、役所広司主演の「PERFECT DAYS」が観られるようになっていたが、ウォッチリストに入れたまま観ていなかった。
それが、あるときふと映画が観たいと思い、何の気なしにとりあえず観てみた。

映画のあらすじは、
東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山、の淡々とした日々を描いたもの。
本当にただそれだけ。事件なんて起こらない。

平山の一日といえば、朝起きて身支度して趣味の植物のお世話をし、仕事に向かいトイレの清掃をきちんと丁寧にこなし、お昼は神社の境内?のベンチに座ってサンドイッチを食し、持ち歩くカメラで木を写し、仕事が終われば銭湯に向かって汗を洗い流し、その足で馴染みの居酒屋に行き、帰宅して寝床で本を読み、眠くなればそのまま寝る。
それを日々繰り返している。

ただ、平山も孤独であるわけではない。
自身の生活に関わる人との交流のあと、必ず一人微笑んでいる。
「友だち」の木もいる。常連の店もある。姪も可愛がっている。
そういった関わりも、それなりに楽しんでいる。

毎日無駄なく過ごし、日常のちょっとした変化を楽しんでいる姿は、私にとってはなんだか羨ましく思えた。

平山がどんな過去を持つ人なのか、なんで妹との抱擁のあとに泣いたのか、平山については正直なんにもわからない。
でも、彼の日々を飽きずに観ていられたのは、彼のにじみ出る人柄と、ちょっとした出来事に心揺らぐ瞬間を見させてくれたからかもしれない。

意外と、セリフがあまりなくても、監督のことを知らなくても、挿入歌の洋楽を知らなくても、楽しめる作品だったと思う。


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