夢の日経平均3万円は適切か?
日経平均株価が3万円に到達し1990年8 月以来の株価水準となりました。当時から株式市場に接している市場参加者のひとりとして感慨深いものがあります。直接のきっかけは、米国のイエレン財務長官がG7で財政拡大を各国に強く求めたことです。米国の1.9 兆米ドルの財政支出拡大の確実性が高まったとみられました。米国ではワクチン接種が始まり、感染者数の拡大が収まりつつあるとの見方が強まっています。日本については、製造業中心に業績の年度予想の上方修正が相次ぎました。非常事態宣言の効果も見えて、正常化への期待が高まっているとみてます。一言でいえば、昨年11月の米大統領選以来の財政拡大と経済正常化期待への証拠がならび始めたというわけです。2020年後半の株価上昇とともに、日経平均のPERが財政拡大、正常化の期待で高くなってきましたが、予想利益が大きく上昇したため、今年の1月に少し低下しています。先行した株価の上昇に企業の利益予想がついてきたので、この勢いが続き、財政支出拡大でコロナ・ショック前を超えて経済が拡大するという見方がさらに勢いづいたと考えます。そのため、リスクとしては、米民主党がコロナ・ショック回復前に増税を主張する場合、ワクチンの効き目が限定的な場合、人々の不安が強く給付金を貯め込んで消費しない場合です。このように、日経平均株価の3万円到達は不思議ではないですが、リスクもあります。
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