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日銀植田総裁は市場の想定よりタカ派
9月9日付の読売新聞による日銀の植田和男総裁へのインタビュー記事は、市場が織り込むよりも総裁が物価上昇に強気で年内にも政策変更を行う可能性を感じさせるものでした。
例えば、賃金と物価の好循環の持続について「十分だと思える情報やデータが年末までにそろう可能性もゼロではない」、物価上昇の持続性に確信を持てれば「マイナス金利の解除も選択肢に入る」としています。
実際、「賃金と物価の好循環」はまだ来ていません。今は、物価上昇率が賃金上昇率よりも高いので、いずれ消費の力が尽きて物価上昇は続きにくいです。
「賃金と物価の好循環」が来るには、インフレ率が緩やかに低下する中で、人手不足による賃金上昇が継続し、賃金上昇率が物価上昇率より高くなるとの期待が高まる必要があります。今のままでの政策変更は時期尚早なのです。総裁は、今見えていない変化が、市場が思うよりも早く、年内にも目にする可能性があると考えているようです。
この記事を受けて11日の市場は円高・金利高でした。まず、インフレ率の低下は、商品価格の落ち着きなどから今後も続くとみています。
一方で注目点は、賃金上昇率がいまの勢いを保てるかどうかです。好調な輸出向け企業も、コロナ禍から正常化しつつある内需向け企業も人手不足は明らかです。
植田総裁が気にする年1回のベースアップ率について10月にも連合の来年の要求が示され、さらに12月のボーナス上昇が強ければ、年内に日銀が政策を一部変更し、円高と金利高が進む可能性があります。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113