短編小説「夢」
みなさん、こんにちは。かみのみかです。
本日は短編小説を掲載します。初めて。
よかったら読んでください。
前置き。
実をいうと私は中学生の頃、ポエムとか小説とかを書くことにハマっていました。(なかなか恥ずかしい特にポエムなんて)
仲のいい友達も同じようなことをしていて、みんなでそれぞれ書いては送り合って読み合っていました。
懐かしいですね。
当時はガラケーで、メールの下書きにたくさん書きかけの小説が溜まっていました。
この短編小説「夢」は2015年1月に私が書いたものです。
当時、高校一年生。
小説仲間の友人とは高校が違ったのですが細々と小説を書くことは続いていました。
ですが、この作品が私の最後の小説。超短編だけど。
そして、現存している唯一の作品です。
ガラケーなくしちゃったので、過去の作品が残っていないんです。悲しい。
恥ずかしいからいいけど。
5年前の私が書いたもので、なかなかに拙い分です。
なんせ、大して小説を読むのが好きとかでもなかったただの高校生が書いてる文ですから。
(小学校の頃は本読むの好きだったんですけどね。いつからか日本語を読むのが苦手になりました。)
今まで限られた友達にしか見せていなかったし、小説を書いていること自体知っている友人もほとんどいないので、こんな誰でも見られる媒体に載せるのは初めてです。
なんとなく、残しておきたくて書きました。
あの、内容は理解に苦しむと思いますので下に解説入れておきますね。
正直今書いた本人が読み返しても理解できなかったので。
今の私が考えた解釈です。違ったらごめん、昔の私。
お暇な方だけ、ぜひ見てあげてください、昔の私のために…(笑)
それでは、どうぞ。
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短編小説「夢」
見えたのはきっと幻だった。
昼休みを終え、午後最初の授業は私の嫌いな地理だ。つまらない先生の話に耳を傾けるわけもなくぼうっと窓の外を眺めていると、この高校の隣に建つ古びた土色をしたマンションの屋上に見覚えのある少女の姿がふわりと浮かび上がってきた。
彼女は中学の頃の制服に身を包み、強い風に腰まで伸ばした綺麗な黒髪を靡かせている。見間違えるわけはない。確実に私の幼馴染だった。目が離せなかった。
彼女は何を見ているのか、真っ直ぐに一点を見つめていた。それは、深く何かを考えているようにも、呆然と立ち尽くしているようにも見えた。
私の視界を白いプリントが遮った。前の人が後ろへと回してきたプリントだ。私は前の席の彼からプリントを受け取り、一枚取ってまた後ろへと回す。そのプリントを机の上に置いて名前を書き、また私は外のマンションの屋上を見た。
私は目を見開いた。そこに彼女の姿はどこにもなかったのだ。目を何度も擦る。どんなに凝らして見てみても、彼女がまたマンションの屋上に姿を現すことはなかった。
小さくて高い、控えめな声が耳を擽った。昔から聞きなれた懐かしい声だった。
勢いよく声がする方を見ると、私のショートカットの髪が風を起こすほど大きく揺れた。明らかに声の主はあの彼女なのに、私の視界に彼女の姿はなかった。
また声がした。私を呼んでいた。周りを見渡す。いない。どこにもいない。私は思わず彼女の名を呼んだ。叫んだ。涙が溢れて、その場で私は崩れ落ちた。
また名前を呼ばれて目が覚めた。目の前には彼女がいた。
彼女が高校の制服を着ているのを見て私は席を立った。
窓から差し込む夕日が、私の机に唯一ある数学の教科書を照らしていた。
END
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ここまで読んでくださった方は、心優しいお方でしょう。
そしてこれ、意味わからなかったですよね。
解説。
固有名詞とかを出していないので特にわかりにくいとは思いますが、一応登場人物は3人です。
・主人公「私」
・主人公の幼馴染「彼女」
・主人公にプリントを回してきた、前の席の「彼」
彼って言いましたけど別に彼の存在は話に関係ありません。
そして簡単なあらすじ。(超短編なのにあらすじいるのか…?)
高校生の主人公は午後一発目の地理の授業中、窓の外を見ていた。
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幼馴染が中学の頃の制服に身を包んで、外のマンションの屋上にいた
↓↓↓
目を奪われていたら前の席からプリントが回ってくる
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プリントに名前を書いている合間に幼馴染の姿は消えていた
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驚いていたらどこからか幼馴染の声が聞こえる
↓↓↓
探しても姿がなく、名前を呼びながら主人公は泣き崩れる
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目が覚めると、高校の制服を着た幼馴染の姿が目の前にあった
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このとき、既に夕方で数学の教科書が机に置いてあった。
という感じです。
奇妙な点が多々ありますね。
・外に見えた幼馴染は中学生だが最後には高校生の幼馴染が目の前にいる(同一人物です)
・地理の授業を受けていたはずなのに話の終わりには数学になっている
・午後一発目の授業だったはずが、終わりにはすでに夕方
さて。まず、題名に着目していただきたいです。
「夢」
これは、野望とか将来の夢とかではなく、寝ているときに見る夢のことを指しています。
最後の段落で「目が覚めた」と書いているんですよね。
これ、夢から覚めたってことなんです。
主人公は寝ていて、最後に目が覚めてからは現実。
それまでは夢の中のお話。
さて、ここで問題です。
どこからが夢なの?
答えは、
多分、「小さくて高い、控えめな声が~その場で私は崩れ落ちた。」
ここから。
多分だけど(笑)
改行の数的にそんな気がします。
話題が変わったり、主人公一人の世界と現実(授業中)の境だったりのところで
段落の間の改行が一つ多いんですよね。
いやあ、そこで寝たのか?って感じ。
読んだ人に考察してほしくて、わかりにくい書き方をしたんです。
結果的に作者の私さえも理解できなくなってますけど。
当時LINEのノート機能で書いた小説を友人とシェアしていて、その時のデータが残っていたのでこうやって書いているんですね。
基本的には漢字とか改行数とかも完全にコピーしてます。
noteなら空白の大きさはわかりやすいかも。
ここで整理をすると、
導入の一文
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地理の授業中の現実(幼馴染を見る)
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地理の授業中の現実(プリント配布)
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夢の中
↓↓↓
目が覚めて夕方、数学の授業終わり
というところでしょうか。
地理の授業が終わり、数学の授業に変わったのは恐らく夢の中に入る前の空白。
主人公はちゃんと数学の教科書出してるし、地理の授業が終わったタイミングではちゃんと起きてるはずなんですよね。
プリントを貰ったところではまだ地理。
彼女の姿が見えたのは一瞬で、姿が消えたときもまだ地理の授業中、
幼馴染の姿が見えたなんてことは「幻」だと思った。
冒頭で
「見えたのはきっと幻だった」
って言っていることにつながります。
幻を見たことはすぐに忘れ、主人公は地理の授業が終わったあと、数学の教科書を出した。
そして、数学の授業が始まってから眠りにつき、夢を見たんです。
そして夢の中で、聞き慣れた幼馴染の「彼女」の声を耳にする。
夢の中の「私」は、屋上に立っていた幼馴染の姿を近くに感じ、探すが見つからない。
そして、泣き崩れる。
何で泣くの?
って感じですよね。
理由はあります。
私の中での設定があるんです。多分。記憶が正しいことを祈る。
中学生の頃、幼馴染の「彼女」は屋上から
飛び降り自殺をしようとしたことがある。
そんな過去があるから、
中学の制服に身を包み屋上に立つ幼馴染の幻を見た「私」は、
夢の中では幼馴染が死んでしまったと思っている。
そんな状態で「彼女」の声が聞こえるから
死んでしまった彼女の亡霊が近くにいると思った。
会いたい、話したいと思いながらも姿は見えない。
だから主人公は涙を流して崩れ落ちた。
(ここで崩れ落ちたという表現をしたのは、
夢の終わりかけを表したかったのかな。)
このような設定があるから、こんな描写になっているんだと思われます。
でもそれはあくまで夢の中で、実際に「彼女」は死んでいないし、同じ高校の制服を着て、「私」の名前を呼んで起こしてくれた。
終わり。
って感じです。
伝わる??(笑)
ちょっと小話をすると、不謹慎ながらも中学の頃から私たち(友達も含めて)は書く小説だいたい死ネタだったんです。
非現実感が強くて、小説の世界でそれを繰り広げるのに面白さを感じたんでしょうね。
そしてこの短編小説を書いたとき、確かまた死ネタにしようと思ってた気がする。
でもさすがに私、やれ病気だ事故だって小説の中で人殺しすぎなので死んでる設定をやめたんです。
だから、そのままいけば幼馴染の「彼女」は幽霊だった。
でも結局幽霊にしなかった、という話ですね。
理解できたでしょうか…
よかったら解説見てみてからもう一度小説本文を読んでみて下さい。
高校一年生の私が何を表現したかったのか…なんとなくわかってもらえたら嬉しい。
長々と書いてしまった。
一つ過去を成仏させた気分です。
ここに、原文のスクリーンショットを載せておきますね。
気が向いて時間があれば、また短編小説を書いてみようかな。
ではまた。かみのみかでした。