一番好きな映画は何ですかと聞かれたら、いつも「炎のランナー」と答えています。1981年公開の映画で、第54回アカデミー賞作品賞を受賞しています。主題歌は有名なのでご存知の方も多いと思います。
邦題は「炎のランナー」ですが、原題は「Chariots of Fire(炎の戦車)」になります。
どうして「炎の戦車」なんだろうとウィキペディアで確認すると、ウィリアム・ブレイクの「ミルトン」の序詩"And did those feet in ancient time"にある「Bring me my chariot of fire!(わが炎の戦車をもて)」からつけられているそうです。
この詩は1916年にチャールズ・ヒューバート・パリーによって曲をつけられた「エルサレム」は、英国では愛国歌として歌われているんだとか。映画のラストで聖歌隊によって歌われているそうです。
この映画は、ユダヤ系イギリス人のハロルド・エイブラハムスと、スコットランド人牧師のエリック・リデルと言う、実在した二人のランナーが主人公です。
この二人の主人公は、光と影のように対比されて描かれています。
ユダヤ系イギリス人のハロルドは苦悩の人。本人はイギリス生まれですが父がユダヤ系移民であるため、その出自のコンプレックスと闘っています。彼はユダヤ人としての誇りを取り戻すために陸上で世界一を目指します。
ハロルドが影ならば、スコットランド人のエリックは太陽のように明るい人。陸上だけでなくラグビー選手としても活躍する彼は、子どもたちの憧れの人でもありスコットランド国内では英雄です。
足の速さに自信があるハロルドはパリオリンピックの100m代表を目指しますが、エリックに敗れてしまい打ちひしがれてしまいます。
ハロルドはもっと速くなるために、アマチュアでありながらプロのコーチに指導を仰ぐ事に。そして女性との恋に溺れたり。この辺りが、努力をしなくても天から与えられた足で勝つエリックとは対照的です。
そして二人はめでたくオリンピックに出られる事になるのですが、会場に向かう前に100mの予選が日曜日だと知ったエリックが、出場を辞退しようとします。
日曜日は「キリスト教の安息日」であり、安息日に活動する事は、敬虔なクリスチャンである彼にとってはまさに「神への背信行為」になります。信仰故に頑な態度の彼は、皇太子の説得にも応じません。
そんな時、400mに出場予定だったアンドリューが「自分は110mハードルで銀メダルを獲ったから」と、400mの出場権を彼に譲ると申し出ます。それをエリックも受け入れました。
オリンピック当日、エリックが欠場した100mでハロルドが見事に金メダルを獲得。そして400mを走るエリック。そのバックミュージックでは主題歌が流れて、感動的なスローモーション。
この時にエリックの言葉が流れます。「私は神から速い足を授かった。私が走る時、神の栄光を感じる」と。そしてエリックもまた、400mで金メダルを獲得しました。
私はクリスチャンではありませんし、神がいるかどうかはわかりません。でも、エリックの「神の栄光のために走る」と言う言葉が好きです。彼は走る事で、神の恩恵を見せているのです。
この映画が好きな理由は「私たちは誰でも、神の栄光を表す事が出来るものを与えられているはずだ」と言う事を教えてくれたからです。エリックに速い足を与えたように、私たちにもそれぞれ与えられているはずです。
それが運動能力であったり、頭脳であったり、話術であったり、歌唱力であったり、絵の才能だったり、文才であったり。
それを早く見つけて自己肯定する事が、より良い人生に繋がると思います。そしてまた、気づいていない人に「あなたの才能は〇〇だよ」と教えてあげる事が、より良い社会に繋がるのではないでしょうか。
私がnoteで記事紹介をさせていただくのは、記事を書いた人の素晴らしさを紹介するためでもあります。その人の良さを見つけるのが、神が私に与えた恩恵だと思い、日々修行しているところです。
以下に、詳しいあらすじをまとめた記事を引用します。