コーヒー焙煎の考え方(前編)
コーヒー焙煎。
焙煎とは、簡単にいうとコーヒー生豆に熱を加えて水分を抜き、加熱調理すること。
一見シンプルな作業に思えるが、シンプルゆえに考え方もさまざま。
僕の尊敬する先輩が昔言っていた
「焙煎は、簡単に誰でもできる。
でも美味しいコーヒーを焙煎するのが難しい。」
この言葉が今までも幾度となく胸に刺さった。
僕が焙煎で重要視することは、マイナス要因を作らないこと。
農園で丁寧に想いを込めて育てられたコーヒーを扱わせてもらう中で、そのポテンシャルを下げることは失礼に値する。
焙煎で味を作るというよりもいい味を引き出す。
僕のコーヒーに対する考えは、常に和食の出汁の文化を元にしている。
それが自分らしく、日本人らしいのではないかと。
流通が盛んになり、世界中の有名ロースターのコーヒーを手に取ることができる今、自分にできることは田舎で自然の中で育った思考回路を活かすこと。
自然に口に馴染むように適切に熱を加え、コーヒー豆にストレスを与えずに旨みを引き出せる調理をする。
それをお客様に評価してもらうのが焙煎士ではないかと思います。