焙煎していて思うこと⑤
「焙煎のヒントは幕の内弁当にあり」
「はぁ??」と思ったらこの先は読まない方がいいかも。
10代から気になる飲食店があれば迷わず入ったりしてふらふら散策してました。
ある居酒屋さんの日替わりでやってた幕の内弁当のランチで「!!」ときたことがあってそれは一段のお重にご飯、漬物、メインおかず、副菜がぎっしり入ってるタイプ。
しゃっきりとしたお浸しの隣には柔らかい煮物があったり、あられを衣にした揚げ物や、旬の食材を使用したりしていて一品一品の食感や香り味付けが異なり食べていて刺激があってなんか楽しい。
それぞれ異なるものが一つのお重でケンカせずにまとまっているのが当時のマスターの心に刺さったんですよね。作り手の方の考えや想いなんかがみえた気がして。
コンペティションのコーヒーや精製が特殊なコーヒーは浅煎りにしがちですが、もうちょい深く焙煎した方が酸の出方や香りの種類が変わったり余韻に甘みが出たりする場合があるんですよね。
どれかを突出させるのも焙煎表現の一つだけどあの幕の内弁当のように味わいのバランスが丸くとれているのがいいんだよな〜と常々思います。
気が付いたら飲み終えてるみたいなバランスのとれたコーヒーを表現するのが理想ですね。