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4歳の娘が考えた「記憶の定着モデル」
「しょうりょうばった たべるのは ほんのしょうりょう」「あげはちょうに ぷれぜんとを あげまちょう」
これは、4歳の娘が保育園で覚えてきた「虫かるた」の句の一例です。私たちと話をしていると、ふと虫かるたの句が頭に浮かぶようです。平日はもちろんのこと、休日も一緒に過ごしているふとした瞬間に、一句を読みます。
見たことのないアニメのキャラクター。大人たちが使う、概念のような、形のないモノの名称。スポンジのように次々に吸収する娘の頭の中は、いったいどうなっているんだろうと、かねてより私(妻A)は興味深々。
お風呂に一緒に入っているときに「どうやってそんなにたくさんのことを覚えていくの?」と質問してみました。「それはね。」と娘がお風呂で語り始めた記憶の定着のさせ方がとてもユニークでおもしろいので、彼女の「記憶の定着モデル」として記録します。
ほいくえんで おしえてもらったことがあたまのなかにはいって ぱんぱんになる。あたまは ぱんぱんだから、のどのほうにいって、のどの ぷにょぷにょにくっつくの。
保育園で教えてもらったことが頭の中に入ってぱんぱんになる。もう頭はぱんぱんだから、喉の方にいって、喉のぷにょぷにょ(粘膜のこと?)にくっつくの。
しったことは、めからでていって、だれかのところに はいってくでしょ。そうすると、のどにくっついてたのが、あたまにもどる。そうやって、またしったことは めからでていく。
知ったこと(覚えたこと)は、目から出て行って、誰かのところに入っていくでしょ。そうすると(頭にスペースができるから、あふれていた)喉にくっついてたのが頭に戻る。そうやって、また知ったことは目から出ていく。
出所:4歳9か月の娘「記憶定着モデル」の解説
覚えることはたくさんあって、頭の中からはあふれてしまい、のどに一時的にくっついているという発想でした。そして頭の中で覚えたことは目から外に出ていき、頭の中の空いたところに、のどに一時的に保存していた情報を戻して定着させるのだというのです。
私はただただ感心し、驚き「なんということでしょう!」という気持ちになりました。4歳のこんな小さな体で、物事を覚えるという概念について、豊かな発想で理解をしながら考えているのです。
本当にクリエイティブです。
夫K「哲学だね…。おれとのお風呂はひたすらにじゃんけんをする(父が勝ってはいけない)か、クイズを出し合う(父が正解してはいけない)かだよ。」
妻A「私たちのお風呂の時間は深いのよ~。これからも、彼女のいい芽を摘み取らないように、大切にしていきたいよね。」