あの扉の向こうに『夕立の後』
あの扉の向こうには
「
あの鈴虫の鳴く声が
いつの間にか
もう蝉の声になってた。
わがままだと思うよ
それがキミにはわからないまま
きっと夕立を今年も
繰り返している。
キミが置いていった今年の夏も
お互い知らない夢を見る
それが望んだ季節なんだろ?
夏が嫌いになった訳は
言わなくてもわかるだろ
閉じ込めていた氷を溶かし
二人がそれぞれの道を進むきっかけ。
ずっと手を繋いでいたかった
無理矢理に繋いでた手を
ふりほどいてまで見た景色。
キミがいないバス停で
もう待つのは辞めたんだ
蝉の鳴く声がやがて
今年も鈴虫に変わるから。
ずっと手を繋いでいたかった
夕立が降り始めた去年の今頃
居ない景色が想像できなかったのに
笑って過ごせているボクがいる
」
そんな、わがままな『夕立の後』に迎えた夏、キミが感じた今を語るべきだよと思う物語。。