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あの扉の向こうに『花薫る丘から』

あの扉の向こうには


初めて訪れたのは

出会って少しの頃

疲れていた心を癒すため

キミが連れてきてくれた。

名も知らない花たちが

一面に咲く景色に抱かれて

キミといられるこの丘で

恥ずかしくも泣いた日。

少し気持ちが離れた頃

また一緒にこの丘を訪れた

花や景色が二人の距離を

きっと戻してくれるって。

でもキミは名も知らぬ花に推されて

去って行くことを決めた

この景色に似合わない

寂しそうな顔をして

「さよなら」を告げた。

あの時から

想い出の詰まったこの丘に

一人で来る時は

嬉しい事があった時だけと決めた。

名前はまだ知らないけど

薫る花たちが魅せてくれる

この景色を守りたい

これから訪れる人たちへ。

もう悲しい風景を見せるのは

僕だけでいいから

そして大切な人とまた一緒に

『花薫るこの丘から』始めるよ。

名も知らない花たちと

二人がこれから過ごす景色を

笑顔でずっと魅ていたいから。



そんな『花薫るこの丘に』咲く、まだ名もない小さな物語。。

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