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あの扉の向こうに『たどる足あと』

あの扉の向こうには


気が付けばそこにいた

何も聞かず

一緒にいてくれた。

きっといい事ばかりではなく

いろいろあったのだと思う。

朧げに記憶するある日の思い出

母が体調を崩し

入院した時の事だ。

家に残っていたアナタは

お酒を飲んでいた

いつもより多く呑んでいた。

身体の弱い母の事や

その入院の原因含め

悩んでいたのかもしれない。

それが自分が見た

唯一の弱い姿だった。

退院してきた時に

兄弟ができてたかもしれない事

そしてその言葉を知った。

ただ七歳の自分には

頭で理解できてなかった。

言葉以上の想いや辛さを

その身に本当に理解するまで

25年ほど掛かったよ。

アナタの『足あとをたどる』には

少し荷が重いかもしれない

それほどいい父親だった。

祖父はアナタが赤子の頃に

他界したと聞いている。

アナタは「自分は父親を知らない」

だから唯一生まれたボクに

いい父親だったのかわからないと

披露宴のスピーチで言っていた事が

ずっとボクの耳に残っている。

だから

「心から、ありがとう。」

アナタの足あとを

いつもみていたからわかる

ボクにとって

最高の父親だったよ。

まだまだ母と仲良く

これからも後ろ姿を見せてください。

『たどる足あと』を地に付けて

追いかけて行きたい。

自慢の父へ



そんな『たどる足あと』のハードルは高く、越える事はできなかもしれない物語。。

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