見出し画像

本「テッパン」

上田 健次著。
オーディオブックにて。

先日、読んだ「銀座「四宝堂」文房具店」のシリーズがとても良かったから
同じ著者の本を選んで聞いた。

それだけが理由ではない。
著者がインタビュー記事で、
編集者と相談して「売れる本」を意識して書いた、と知ったから。

著者からすると自分の本って、
自分の魂みたいなものなのかな、って
勝手に本好きのわたくしおばちゃんは
「え?!」って驚いた。
自分の書きたい本じゃなくて、「売れる本」。
もちろん著者が遅咲きで、サラリーマンしてて
柔軟な人だからこそ、その提案を受け入れることができたのではないか、って思う。
まあ、そんな興味をそそられたからこそ
聞き始めたのよね。

2日間にわたって一気に聞いた。

すんばらしい!!

エンターテイメントだったわ。
映画みたいだった。
最後のシーンでは驚きと、切なさでの涙。
でも爽やかな風が心の中を吹いていった。

なんなのよ、この作品。

そうか、これが「売れる本」なのか。

売れる、っていうか
人の気持ちを揺さぶる本、と言いたい。
そして、余韻が素晴らしくて
記憶に残る本、ということなのだと思う。

著者の独りよがりなこだわりなんて
ぶっちゃけいらないのかもしれない。
もちろん、そのこだわりが素晴らしいこともあるけど
こだわりのせいで
読みづらいとか、よく分からん、とか
そういうことにもなるわけで。。。

あとね、わたくし
きっと著者と超同年代。
しかも描かれているエリアが超地元。
中野ブロードウェイバンザイ!

昭和の色々なアイテムが出てくるんだけど
(ハンバーガーの自販機とか、喫茶店のテーブルなんかの上にあった占いマシーンとか)
めっちゃ懐かしくて
自分の中学・高校時代を振り返ることにもなった。

わたくし、おばちゃんにも
ちょっと悪いお友達がいたのよね。
このテッパンで出てくる二人みたいな感じだったのよ。

小学校が一緒。
中学で仲良くなった。
彼女は高校を中退してフリーターに。
美人で華やかでモテてたなー。
私は地味でどんくさくてねー(笑)

私は高校を卒業して短大してから留学。
彼女はずっとフリーターしてた。
全然違う道に行った。

けっきょく、昔は携帯やSNSがなかったし
お互い実家が引っ越しちゃったしで
消息不明。
彼女は中学の同窓会にも来なかった。

だからもう30年ぐらい会えていない。

私がアメリカ留学行く前までは
会えていたんだよね。。。
テッパンの主人公たちと
何だかかぶりまくり。こんな事情。

あぁ、ふー子に会いたい。

あれ、本のことじゃなくて
自分のことになっちゃった。

いや!
とにかく素晴らしい作品だった。
この本に出会えて良かった。
著者さん、そして編集者さん、
どうもありがとうございました。


この記事が参加している募集