【雑記】12/1 私の最愛海外文学十選
最近面白そうな企画を拝見したので、触発されてやってみようと思います。
あれこれ考えすぎて選べなくなりそうなので次の方針を決めました。
・「私の好きな海外文学」と聞いて条件反射で頭に浮かんだものから選ぶ。
・ぱあっと浮かんだものが10を超えたので、テーマごとに「自分の人生やその後の考え方の基礎となったもの」という観点で選ぶ
その結果がこちら。
ストーリー・ガール L.M.モンゴメリ 著 新潮文庫
おちゃめなふたご エニド・ブライトン 著 ポプラ社文庫
風にのってきたメアリー・ポピンズP.L.トラヴァース 著
ロシア民話 アファナーシェフ 編
キルトは楽しい アリサ・クレイグ 著
高慢と偏見 ジェイン・オースティン 著
雪のひとひら ポール・ギャリコ 著
エミリ・ディキンスン家のネズミ エリザベス・スパイアーズ 著
歩道橋の魔術師 呉 明益 (著)
とんがりモミの木の郷 セアラ・オーン・ジュエット 著
これらを選んだ理由はこちら。
1.児童文学の大海
私の好きな海外文学は、と思い浮かべた作品の大半は児童文学でした。
偏りすぎです。そのうち「私の愛する海外児童文学十選」について思う存分語りたいと思っています。
マーチ四姉妹、アン、ローズ、セーラ、ローラ、パレアナ、ジュディ・・・。
私の子供時代のかけがえのない友でした。
その中でも今回は、モンゴメリの「ストーリー・ガール」を選出しました。
ストーリー・ガール
著者 モンゴメリ 訳者 木村 由利子 角川文庫
語り手である「ぼく」が従兄妹たちとプリンスエドワード島で過ごした十代の頃を回想する物語。従姉のセーラは、「ストーリー・ガール」と呼ばれていました。
理由は、声に魔法を乗せる方法を心得ているから。
中学生の頃の私は、ストーリー・ガールのような才をじりじりと焦るような気持で欲しておりました。
2.シスターフッド好きの原点
私はどうも姉妹とか女学生とかによる女の子(女性)の群像劇が好きなようです。
その好みの原点のひとつがこちら。
「おちゃめなふたご」
エニド・ブライトン 著 佐伯紀美子・訳 田村セツコ 挿絵
ポプラ社
双子のパットとイザベルが全寮制のクレア学園に入学し、学園生活を送りながら成長していく物語。
責任感の強いヒラリー、悪戯好きで直情型のジャネット、動物好きのキャサリン、ひょうきん者のドリス等々生徒それぞれに個性(長所も短所も)があり、得意不得意がある。
時に助け合い、時に意地悪をし、真面目にがんばりもすればおふざけもする。
女の子たちと先生たち(女性)の明るく楽しく時にしんみりとする学園生活の物語。
双子が1年生に編入してから卒業までの成長を子供の頃は等身大の目線で応援したり自分や友人と照らし合わせたりして読みました。
こっそり開く真夜中のパーティとか寮を夜に抜け出してサーカス見物とかけがをした犬をこっそりかくまうとか・・・。
私は、そんな生活に憧れすぎて、高校は寮生活のできるところに進学しました。
3.ファンタジーの原点
「風にのってきたメアリー・ポピンズ」 P.L.トラヴァース 作 , 林 容吉 訳 岩波少年文庫
学生時代は特にファンタジーが好きでした。
異世界での物語である「ナルニア」と日常生活の中で起こる不思議なことを綴る「ポピンズ」。
どちらの系統も大好きなのですが、ほんの少しの差で「メアリー・ポピンズ」に軍配があがります。
クローゼットに這い込んだところで異世界につながることはないけれど、私の暮らしている中で、何かしら不思議なことは起こるかもしれない、そんなことをかすかに期待していたような気がします。
なお、ジュリー・アンドリュースが演じた映画も大好きで繰り返し見ました。
4.神話・伝説・物語
ここも私の原点。ギリシャ神話を皮切りに、グリムやアラビアンナイト、ラングの「○○色の童話集」など、世界の神話・伝説・昔話もよく読んでいました。
その中で一番のお気に入りだったのが「ロシア民話集」。
アファナーシェフ ロシア民話集(上・下) 中村喜和編訳 岩波文庫
王様の庭にやってきて果物をついばんでいる「火の鳥」、「鶏の足の上に立つ小屋」とそこに住む「バーバ・ヤガー」という鬼女、死なないけれど年寄りの「不死身のコシチェイ」、言いつけを守らないイワン王子とドラえもんのように面倒見のよい「灰色狼」、魚なのにえらそうな「かます」、賢いワシリーサ姫、等。
これらの異国情緒あふれる道具立てのファンタジー感が好きでした。
そして、今ではすっかり忘れ果ててキリルアルファベットが読める、ということしか残っていませんが、第二外国語はロシア語を選択しました。
大学の友人たちとロシア旅行をしたのも良い思い出です
5.つらい人生を支えてくれるコージーミステリ
コージーでないものも含めたミステリは、私にとって分母が著しく多いジャンルです。
勉強や仕事に忙しいとき、現実が辛い時には海外のミステリを浴びるように読みます。
だから、残虐な犯罪描写、異常心理ものや動機が復讐もの、いたずらにトリックに拘泥するものは避けています。
結果としてコージーがふえるのですが、中でもお気に入りがこの一冊。
「キルトは楽しい」 アリサ・クレイグ 著 森下弓子 訳 創元推理文庫
ディタニー・ヘンビットシリーズ第2弾
カナダの田舎町、ロベリアフォールズの婦人たちのグラブアンドステイカーズは園芸ローヴィングクラブ。
とある家を博物館とすることを条件に遺贈されたクラブの面々は博物館長を任命し、資金を集め、展示物を集めるなど開館に向けて東奔西走。
そのうちに雇ったばかりの館長が屋根から落ちて事故死する。高所恐怖症なのに?
ありえないような舞台、個性の強すぎる人々のにぎやかで楽しいミステリ。
「博物館」「花嫁のキルト」「マリーアントワネットの宝」など私の好みの要素たっぷりと詰まった物語です。
6.最愛の古典作品は夫を連れてきた
「高慢と偏見」ジェーン・オースティン 作 富田彬 訳
岩波文庫
オースティンは他の作品も大好きですが、やはり基本は「高慢と偏見」。
ベネット家には偏屈な父親に俗物の母親そして、五人の娘。
そこへ、近所に,独身の資産家ビングリーが引越してきた。
ビングリーは美しくすなおな長女ジェーンと惹かれあう。ビングリーの友人ダーシーは気難しやで聡明な次女エリザベスと最初は反発しあい・・・。
さて、私と夫とはお見合いでしたが、当初、結婚自体乗り気でありませんでした。
しかし、その頃たまたま映画の「プライドと偏見」が公開されており、その話題になりました。オースティンを説明なしに理解してくれる男性はかなり貴重だなあ、と結婚を真剣に考えるきっかけになりました
7.私の好きな古典作品からもうひとつ
思い浮かんだ作品はいくつかありました。シェイクスピア(ヴェニスの商人、真夏の夜の夢、マクベス)、虚栄の市、カラマーゾフの兄弟、Oヘンリー作品集など
その中から悩みましたが、「雪のひとひら」を選びました。
大好きなイラストレーター永田萌さんがお勧めしていらした本。
中学生の頃と、大人になった頃、また、今の自分とで受け止め方が違う本。
そして、何度読んでも矢川澄子さんの美しいことばに心が洗われます。
「雪のひとひら」ポール・ギャリコ 著 矢川澄子 訳 新潮文庫
ここからは、今年に入ってから読んだ本です。
8.やっぱり詩も好き
詩も大好きなのですが、海潮音はむしろ日本文学っぽいかな、ということでやはりエミリ・ディキンスンが一番好きなので、こちらを。
エミリ・ディキンスン家のネズミ エリザベス・スパイアーズ 著
9.海外現代文学、始めました
私は、海外現代文学に弱く、あまり読んでいなかったのですが、この本を読んで、あ、海外文学を読もうと思いました。
歩道橋の魔術師
呉明益 作 天野健太郎 訳 河出文庫
10.今、私はこれが好きです
とんがりモミの木の郷
セアラ・オーン・ジュエット 著 河島弘美 訳 岩波文庫
今年読んだ本です。
この世界、大好きなのですが、感想が書けずにまだご紹介していません。
特別何かが起こるわけではない物語の何がどのように良いのかを説明するのが難しいのです。いずれきちんとご紹介します。
女性小説家が小さな町で過ごす夏。
ハーブを育て調合する女性の家に下宿し、休暇で使われていない校舎で執筆する。町の人たちとの穏やかな交流の日々を綴ります。
ご馳走もいいけれど、白いご飯とお味噌汁がじんわりと美味しい。そんな感じでしょうか。
以上、私の最愛海外文学十選でした。
お付き合いありがとうございました。