夢、儚く。
ワイ「夢はありますか?」
助手「お金たくさん欲しい。」
ワイ「俗っぽい夢ですね。」
助手「夢を語るのは自由だもん。」
ワイ「ということはサマージャンボ宝くじを買ったんですか?」
助手「もちろん。」
ワイ「これまで当たったことは?」
助手「1万円当たったことがある。」
ワイ「そうなんですね。」
助手「だからいずれドーンと当たる気がするの。」
ワイ「本当にそう思ってますか?」
助手「当然よ。1万円当たるなら1億円も夢じゃない。」
ワイ「ちなみにサマージャンボの1等当選確率ってどの程度か知っていますか?」
助手「え?知らないなぁ。」
ワイ「1000万分の1ですよ。」
助手「めっちゃ低い。」
ワイ「これに当たれば奇跡的ですよね。」
助手「けれど可能性に賭ける・・・それこそが夢だわ!」
ワイ「闇雲に賭けても仕方ないですよ。1000万人が一つの食べ物を奪い合うシーンを想像してみてください。ゲットできる自信ありますか?」
助手「無理。」
ワイ「そもそも戦費調達のために始まったものですから、国民から財を集めるにはベストな手法なのでしょう。」
助手「そうなんだ。」
ワイ「ちなみに古いデータですが、2008年の宝くじ売上は1兆円越え。収益は40.1%なのでとても美味しい商売です。」
助手「そんなにも!」
ワイ「国営ギャンブルみたいなもんですから、税金取られてると思えばいいんじゃないですか?」
助手「買う気失せるよ。」
ワイ「そんな宝くじは、あの手この手で射幸心を煽ってきます。」
助手「『今日は大安!』とか『この販売所で1等当選出ました!』とか。」
ワイ「ですね。そもそも最初に刷った宝くじが全国の販売店に卸されているんですから、大安に買おうが仏滅に買おうが確率が変わるわけではありません。」
助手「身も蓋もないね。」
ワイ「当選出たと謳う販売所は、単純に販売枚数が多いから当選が出やすいだけに過ぎません。それで購入者が増えてさらに確率増えてるだけ。」
助手「販売所の当選確率が上がるならそこで買うべきでしょ。」
ワイ「比例して購入者の分母が増えてるんですから個人あたりの当選確率が変わるわけではないですよ。」
助手「ぐぬぬ。」
ワイ「なんの努力も勉強もしない賭け事なんて、時間とお金の浪費でしかないと思うんですよね。」
助手「大切なお金を投じている努力をしているよ。」
ワイ「それは努力と言いません。当選確率の話もしましたが基本的知識をインプットしてお金を注ぎ込むべき対象かを判断できない時点でアウトです。」
助手「ことごとく夢を壊していくヤツ。」
ワイ「宝くじ買うくらいなら投資する方が適切ですよ。」
助手「それも賭け事みたいなものじゃん。」
ワイ「投資は賭け事とは違いますよ。株式なら企業情報を分析し、数字だけでなく企業姿勢・競合有無、事業の将来性を見抜いていく必要があります。」
助手「そこに努力があるってことを言いたいの?」
ワイ「そうです。勉強せずに投資して失敗する人が多いのでネガティブな印象を持たれるようですが、成功している人ほど目先の勝ち負けに一喜一憂しません。」
助手「長期的スパンで物事を見ているってこと?」
ワイ「そうです。財務の知識もいるし、世間のトレンド、世界情勢などインプットすべき情報も多いので大変ですけどね。」
助手「聞いてるだけでクラクラするわ。」
ワイ「投じたお金のリターンを得るためには知識武装しなければ勝てません。」
助手「言ってることは分かったよ。」
ワイ「リターンの大小はリスクと比例します。ローリスク・ハイリターンを求めるのは最も無駄なことだと思います。」
助手「なるほどね。そこまで言うってことはアナタは宝くじ買ったことないんだよね?」
ワイ「ありますよ。」
助手「無意味な賭け事って言ったじゃない。」
ワイ「もしかしたら億り人になれるかと思ったので。」
助手「当たったことは?」
ワイ「ありませんね。」
助手「ローリスク、ノーリターンね。」
ワイ「人の夢は儚い。」