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八坂神社の洞窟と四天王寺金堂中心の井戸
2001年亀井堂に奉職するご縁をいただいてから、寺社まいりの際は、水の信仰にきをつけるようにしています。
京都は街全体が琵琶湖に匹敵する水量の地下水の上に浮かんでいるようなもので、水の信仰はいっぱいあります。
有名な祇園祭は、井戸のお祭りです。
そして、八坂神社の本殿も地下に洞窟があり、そこにわき出す聖水への信仰が起源であるといってもいいようです。
お守り授与窓口の隅っこに、へぎにいれた青い石が無造作に置かれていました。本殿の地下の洞窟にわき出す水で清めた石だと、説明書があるのを見て、興奮しました。
一ついただき亀井堂のどこかに置いたはずですが、忘れてしまいました。
八坂神社のHPからスクショいただきました。
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さて大阪も水のみやこ。
四天王寺も、龍神様が守護する水の聖域です。地下の龍神の池に直接通じているのが、金堂中心にある井戸ですが、これは参拝者には見えません。亀井水も、この井戸から導かれています。
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🐢四天王寺金堂内陣直下の井戸。戦後発掘記録より。この井戸に言及している書物は皆無です。亀井水の水源でもあります。
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🐢金堂の井戸、と検索しても、出てくるのは、金堂の西側にある、龍の井戸です。江戸時代初期の文献には存在しません。江戸時代の大火のあと、防火用水として作られた井戸と、私は推測します。屋形の天井の龍画を映すしかけにしてありますが、心ない方が賽銭をなげいれるため、賽銭が光ってよくわかりません。井戸に投げ入れたお金を、回収する危険を考えてください。
漠然と寺社参拝するだけでなく、私のように水の信仰というテーマをもって見回すと、寺社の構造的深層が理解できると思います。
と、えらそうに語るほどの知識はありませんが。とりあえず、亀井水の調査だけで、記憶容量満タンです。