イボができました。原始の神様はイボイボでした。
手の指にイボができました。
ヒトパピローマウィルスによりできる、尋常性疣贅、じんじょうせいしゅぜい、ていうイボだということです。皮膚科で見てもらえば、ああもう治りかけですね、と。ウィルスを焼く液体窒素をチョンチョンと塗って、自然に落ちますから、と治療終わり。
ヒトパピローマウィルスにも、コロナウィルス同様、いっぱい種類があります。
問題になるのは、粘膜に感染する種類で、子宮頚癌や咽頭癌の原因となるそうです。普通の皮膚に感染する種類は、硬めのイボをつくるだけのようです。
普通のコロナウィルス同様、どこにでもいるありふれたウィルスだそうです。
というわけで、イボ、疣、は神様だというお話を。
対馬のわたつみ神社の原初の御神体、磯良、という神とされる、イボイボの岩です。岸辺にある、磯良とされる岩は、対馬にはいくつかあります。
磯良を祀ったのは、安曇氏。安曇氏は東へ移動し、長野県の安曇野に定着します。
その足跡を伝える神社が、大阪府茨木市にあります。霊水、疣水(しゅうすい)を祀る、疣水磯良神社です。疣水は、自由に飲ませていただけます。
境内にはもうひとつ、玉ノ井という井戸もあるようです。祠は閉まっています。
本殿右には、いぼざくら稲荷。おおきな岩が置かれていて、それが御神体のようです。銘木いぼざくらの聖霊が、いぼざくら姫です。地域のアイドルキャラとして親しまれています。
本殿左には、おなじく海洋神である、住吉神社があります。
イボイボの岩で連想するのは、さざれ石としてよくお祀りされている、礫岩(れきがん)があります。写真は、大阪天満宮に奉納された、さざれ石です。磯良はえびす神ともされることがあります。大阪天満宮の本殿には、菅原道真公と共にえびす様が祀られています。磯良、えびす=ヒルコ、さざれ石、どうやらこの連想のなかに、日本人の信仰の原点があるような、気がします。
もちろん、その信仰は、四天王寺の水信仰、亀井水の基底ともなると思われるのです。
最後に大阪茨木市の疣水磯良神社の境内で、かめのこたわし、の自撮り。後ろに見えるのが、本殿です。