愛染さんと、おそらく豊臣時代の文献でセックスシンボルと語られた亀井水
四天王寺の乾(西北)の道祖心的存在である、支院勝鬘(しょうまん)院愛染堂。境内の愛染かづらは、空襲の被害をうけながら、この聖域のシンボル的存在です。
聖徳太子が勝鬘経の講義をおこなったのが、名前の由来。勝鬘経は勝鬘婦人という女性を主人公にした経典。推古天皇に講義するために選ばれたのかもしれません。また、その講義の記録、勝鬘経義疏(ぎしょ)には、亀井水の水源と信仰されるはるか西方世界の湖、無熱池(むねつち、アノクダッチ)の存在が説かれています。仏教が世界に広がる根源の世界の湖。無熱龍という龍神がたえず水と仏の知恵をとどけてくれる。それをこの日本で受けとるのが、四天王寺の地下に棲む荒陵池の龍神さま。
また、四天王寺の四箇院のひとつ、施薬院がここにあったと伝わる。
乾にまつる道祖神は、古代ではしばしば男女の性器そのものが造形されました。しだいになかむつまじい夫婦像に変わってゆきます。
この勝鬘院のご本尊が愛染明王。明王ですから見た目は怖いですが、お名前のとおり愛の仏さま。
施薬院であり、かつ性愛のシンボル。生命力みなぎる愛染まつりはまだ梅雨のあけきらないしとしととそぼ降る時期の、大阪の夏祭りの開始を告げる大切なお祭りです。
豊臣時代から江戸時代初期に書かれた文献に「四天王寺秘密記」がある。すべてをセックスで解釈する、特異な文献である。
亀井水の説明
《これすなわち、父母の会合の水。口より出て口にはいる。すなわち会合の所なり》
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亀井と影向井を、母と父のセックスシンボルとみなし、口から口へ神聖な水を流している。
亀井と影向井がどのようなものかを推理する、貴重な資料ですね。
あるお坊様は、縦長の亀井の水面を、女性のシンボルそのものではないか、とおっしゃった。
確かに。
しかし、口から出て口で受ける、亀井水のすがた。色々しらべて、私なりに確信した、亀井水再現図です。