トミヒコの幻影~奈良が巨大な湖河内が内海であった時、水に囲まれた聖なる山生駒を跋扈するトミヒコから歴史は始まる
見出し写真は、箕面市から遠望する生駒山
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宮崎駿の大ヒット作、もののけ姫、の主人公アシタカの名前は、トミヒコ、トミの長脛彦の長脛に基づいている。ただ、時代設定は、室町時代末期、日本が統一を失い戦国時代へ向かう混乱期とする。しかし、物語は、歴史を超越した壮大なスケールである。
古事記日本書紀では、逆賊として蔑視される、トミヒコ。
しかし、古事記にも、日本書紀にも、神武がトミヒコに勝ったとは、一言も書かれていない。
それどころか、神武はトミヒコとの戦いに疲弊し、助けてくれと弱音をはく。
そこに飛来するのが、金のとび、である。
これを素直に解釈すると、金のとびはトミヒコの使者であり、お前は何者でありなぜ戦うのか理由を示せという、伝令である。
神武が天孫族の末裔であると明らかになったところで、ニギハヤヒからの国ゆずりがおこなわれる。
第二次国ゆずり神話である。
第一次国ゆずり神話のあと、天孫族は、なぜか国の中心には降臨せず、南西のはじっこに降臨する。私は沖縄の辺野古のクシタケと仮定している。沖縄最大の聖地クダカ島から、ク=亀の道をウキバル浮原をへて辺野古のクシタケへ到るアマ(海)の道。
そこで四代の、いわゆる日向神話のローカルな顛末が語られ、実はニギハヤヒという先輩が、ヤマトに先に降臨している、と知らされる。
話の展開としては、支離滅裂である。
なぜ、そんな迂遠な物語を作ったのか。
実は、トミヒコがあまりに偉大すぎて、それをいかに曖昧にするか、腐心したがためではないか。
トミヒコの影はあちこちに分散して語られているように思える。
ヒルコ=ヒルメ(アマテラス)の兄。
大物主
タケミナカタトミ
ヤマトタケル
四道将軍のオオヒコとヤマトトトビモモソヒメの、タケハニヤスの冤罪と、箸墓伝説。
どれも仮説である。時間をかけて考えたい。
もののけ姫、の音楽。久石譲
もののけ姫の時代設定は室町時代ですが、トミヒコは神武東征の最後の敵として日本神話に登場します。
私は神武は架空の人物と考えています。しかし、トミヒコとトミヤヒメの兄妹、ニギハヤヒは実在の人物と思います。
とりわけ、畿内トミの国の王、トミヒコは、原初ヤマトの最大の英雄とイメージします。
宮崎駿の歴史観のなかでも、トミヒコの存在感は巨大なものがあるのでしょう。
わが国の最初の歴史書を書いたのは、聖徳太子です。それは、古事記や日本書紀とはずいぶん違うものだったでしょう。
トミヒコたちがニギハヤヒ(大隕石)と名乗る男を、なぜ新たな王として受け入れたのか。
実際に大隕石を目撃し、それが西の彼方に消えてゆき、まるで隕石の神のごとく現れたニギハヤヒに心酔したのでしょう。
妹トミヤヒメをニギハヤヒに娶らせ、ミカシギヤ姫と名乗らす。
推古帝の名前が、ミケカシギヤ姫です。
ヤマトの原初の王女の名前を、推古帝は名乗った。
亀井水の太陽祭祀の山、生駒山の、石切神社上社のミカシギヤ姫の社の暗闇のなかで、聖徳太子が、亀井水、生駒山、そして古代トミの国に画いたヴィジョンが、焦点を結びました。
私は、ミカシギヤ姫の魂に抱かれて、泣いてしまいました。
古代トミの国。西の彼方に落下した大隕石。東シナ海文化の壊滅。災害難民としてのニギハヤヒ一行。東西の文化が融合し、英雄トミヒコの国は、ヤマトとなる。
もののけ姫、の主人公アシタカ、のモデルは、トミのナガスネヒコ、つまりトミヒコです。
神武神話は作り話ですが、神武の宿敵、トミヒコは、三世紀の実在の人物と考えられます。
神話と事実の境界に置かれた、歴史の主役であろう。その妹、トミヤヒメ=ミカシギヤヒメの名前が、推古天皇の尊称、ミケカシギヤ、の元であることから、飛鳥王権にとっての重大さが推測されます。
亀井水の朝日礼拝の展望する、聖なる山生駒。生駒の歴史の主人公は、トミヒコとトミヤヒメです。
トミヒコは、そのご、東国のえみし文化圏で、祖先神として伝承されていきます。
トミヒコを解明しないことには、ヤマトの歴史は語れません。
主人公は、トミヒコです。
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