没頭する時間
1日の終わりに、何かに没頭できればまた明日を迎えられる。あれこれ考えがちな私が覚えておきたいことだ。
ここのところ、人との関わりが増えた。
もちろん関わる人やできることが増えるほど、充実感がある。良いことだ。でも、それと比例するように引きずる時間が長くなったように思う。その場を立ち去った後、「あの言い方はどうだった」とか、「もっと気の利いたことが言えなかったか」とか、一人反省会をしているのだ。
気づくと自然に思い巡らせていて、他のことに気を逸らしてみても、また考えていたりする。
そんな時に、
一つのことに集中する時間があれば、
それまでの反省を上手に片付けられそうだ。
こんなことを思ったのは、
「ゴッホ展」見終えて電車に乗った帰り道。
今日は先輩の家に遊びに行って、ご飯をご馳走になった。前回お邪魔した時の私は固く、遠慮がちで会話が弾まなかった。でも今日は、自分の胸の内を素直に話せて、楽しい時間を過ごした。
本当に楽しかった。先輩も前よりも楽しげなリアクションで、絶えない会話に嬉しくなった。
事前予約していたゴッホ展の時間が近づいたから、名残惜しくも先輩の家を後にした。
素直に楽しかった!そう言える時間でも、終わったそばから反省会が始まる。美術館へと向かう電車の中で、自分や先輩の言葉を反芻してはあーでもないこうでもないと振り返る。だんだん、不快にさせたかも、、、なんて暗い気持ちが影を刺す。
そうして、観に行った「ゴッホ展」。
眺めて歩いている間は、目の前の絵のことばかりに集中していた。説明書きを読みながら、音声ガイドを聞きながら、飾られた絵に込められたメッセージがなんなのかを考えて歩いた。じっくり眺めていたはずだけど、あっという間の1時間半だった。
そして帰り道、
あれこれ反省していたことなんかすっかり忘れている自分に気がついたのだった。
今となっては、「楽しかったんだからまあいっか」と思える自分がいる。
身の程を考えず高みを目指す私は、どうやら反省をやめられないらしい。どうしたって、自己反省を止められない。反省に気持ちが引きずられると、次の一歩が怖くなる。でも、その反省から切り離せる時間があれば次の一歩が軽い。
絵を見たり、本を読んだり、空を眺めたり、
なんでもいい。
目の前のそのことだけに集中できる時間さえあれば、また明日に立ち向かう気力みたいなのが出来上がる。そんな気がする。
終わったことは終わったこと。
過去をリセットさせてくれる
没頭した時間が私には必要だ。